客単価から考えるWebサービスの現実問題
客単価と人件費などの開発費用を考えると、選択肢ってかなり絞られるよねという話をします。
1万円/年という商売(高単価)
1人のお客さんが平均年間1万円使ってくれるようなサービスを考えてみましょう。(粗利と考えます)
1年で必要な開発費用が、ざっくり10人で1億円だとすれば、客単価1万円で1万人のお客さんが必要です。
1万人と考えればニッチなジャンルで行けます。
営業が動いても良いと思います。1人1日10人対応したら年間2000人くらい対応できますから。
しかし1年1万円という単価は結構でかいです。物販だったり、不動産や婚活や就職など、こういったものの特徴として「人生で発生回数が少ない」=「リテンション(リピート)が見込みづらい」というのがあります。
なので高単価帯というのは「広告=札束での殴り合い」になります。
大きな資本になかなか勝てません。
1000円/年という商売(低単価)
年間1000円、月100円程度と考えれば、例えば手数料ビジネスのような「ちょっとした中抜き」のようなビジネスモデルでもいけそうです。
しかしこの場合は年間1億円稼ぐためにお客さんが10万人必要です。
10万人を得るためには一朝一夕にはいけませんから、資金調達が必要になってきます。その場合Exit戦略を求められるわけですが、上場するなら年間10億円くらい稼ぐ必要が出てきます。
そうなると必要なお客さんは100万人です。
100万人のお客さんとなると、ニッチなジャンルでは無理かギリギリです。
例えば「食」とか「物販」とか「予約」とか、大きめのジャンルで戦うしか無いのですが、その場合既に競合が沢山居ます。ブルーオーシャンは基本的にありません。殴り合いです。「◯◯に限定した食」とか「◯◯に限定した物販」となるとニッチジャンルになるので厳しいです。
サービス開発者が取れる基本的な選択肢
1.高単価帯で、巨大資本と戦う(数万人のお客さんを狙う)
2.メジャージャンルで競合と戦う(100万人のお客さんを狙う)
まあどっちも凡人には無理ですよね。
天才が複数人集まってワンチャンどうかという感じです。
例外的な存在:ゲーム
これはちょっと例外です。現代のゲームは本当にうまいことやっています。
だから選択肢は3つですね。
現代のWebサービスは、それ以外を探す旅
無くはないです。
例えばWebオンリーのサービスとか、マルチデバイス対応のサービスを少人数で作ってバイアウトしてしまうとか。
卸業者のように、どこかの中間に入り込むことで生き残るとか。
シェアリングエコノミーでこれまでに不可能だったビジネスを成立させるだとか。
技術一本で金融系に手を出すとか。
もっと単純にtoBのサービスをやるなら話がぜんぜん変わります。こちらのほうが現実的ですね。コツコツやる感じ。toBの方がお金が動いてる説もありますしね。
私は最近「全国民をターゲットにできるジャンル」を模索しています。
大言壮語を言わないといけないのが辛いところですが、普通に戦略的に考えると普通に一つの選択肢だと思います。
思い付いたアイディアがイケてるのか確認する方法
1.それは札束で殴り合うタイプのものではないですか?(大量の広告が必要なジャンルではないですか?)
2.1ではない場合、それはニッチ過ぎませんか?100万人のユーザーを取れそうですか?
ここで解決できる新規サービスには中々出会う機会がありません。出会っても大抵失敗しますが。