IT業界で気づいたことをこっそり書くブログ

くすぶってるアプリエンジニアが、日々気づいたことを適当に綴っていきます(受託→ベンチャー→フリー→大企業→ベンチャー→起業)

プログラマーにとって他人事ではない転職失敗

note.com

 

この件って一番はコミュニケーションミスだとは思うんですが、似たような状況って割りと頻発していると思うので、私が気づいたことを書いておきたいと思います。

特にこれは「継続案件の引き継ぎ」問題ですが、もっと大きく会社の方針でもあり、誰しも無関係ではありません。

 

 

IT企業の技術に対するスタンスは2つある

めちゃくちゃ乱暴ですが、以下のように2つのスタンスに分けられます。

  • 誰でも読めて開発できるように作る
  • 優秀な人が読めて開発できれば良い

仮に前者を標準戦略、後者を選民戦略とでも言いましょうか。
もちろんこれらはどちらかではなく、グレースケールが存在しますし、最初は選民だったけどあとで標準になっていくケースもあります。

一般的には前者が良いとされていますね、属人化の排除とか言ったりして。ただ、IT企業としては条件にもよりますがどちらも戦略としては間違っていません

まあこれは分かりますよね、どっちもワークしそうじゃないですか?

 

採用戦略の違い

これも想像できると思います。

標準戦略:ちょうどいい人材がほしい

選民戦略:とにかく優秀な人材がほしい

 

選民戦略の企業への転職において、挫折による鬱が発生する

なぜこれが起きるのか?といえば、エンジニアが努力したり経験値を上げることで評価を上げ、結果転職を選択し、選民戦略の企業に見つかるからです。
努力をしてる人はそれなりにプライドもありますし、自罰的に考えてしまうんだと思います。

 

選民戦略の企業が失敗するケース

選民戦略が失敗するケースがあります。

  • 必要な人材のボリュームに対して、優秀な人が市場にそこまで居ない、または雇えない
  • 優秀な人が居なくなって、メンテ出来なくなる

 

選民戦略の企業の悪魔化

上記のように、選民戦略が失敗した場合、じゃあ潰れるのかと言われるとそうでもありません。潰れずにひたすら採用ガチャを行います。

つまり優秀そうな人を入れ、仕事を丸投げし、ダメだったら捨てて別の人を入れる。を繰り返すわけです。

そう言う企業はたくさんありますし、そう言う企業ほど採用をたくさんしているので割と入りやすいという罠があります。

 

選民戦略の企業に転職してしまったら

とりあえず、自分を卑下しなくて良いと思います。
その会社は「ワンチャン天才が入ったら」と思って採用ガチャをしています。
例えるなら年収1500万20代イケメンを探してる婚活女子みたいなもんです。

ただ優秀な人が多いのは事実ですし、勉強になる部分もあると思います。やるだけやって、ダメなら諦めて他行くくらいのテンションで良いんじゃないでしょうか。そう言う会社は大抵外面は良いはずなので、そこまで悪い経歴にはならないと思います。

私も日常的に遭遇します。

あと、これは「どうやってプライドを捨てるか」という話でもあります。
頑張って上昇すればするほど、見たこともない優秀で地頭の良い奴らが現れます。だからほとんどの人はどこかで自分が凡人だと気づくわけですが、世間からしたらどう考えても優秀側なので、プライドを捨てるのが難しいんです。
鬱にならないよう上手にプライドを捨てる必要があります。

 

転職ゲームのつらいところ

いい会社に行こうとするほど、選民戦略の会社が増えます。当然ですよね、標準戦略の会社では、言い方が悪いですが「誰でも良い」わけですから。
だからエンジニアは頑張れば頑張るほど選民戦略の会社に行く運命なんです。

もういやじゃ

逃げるには受託企業作るか、プロダクト作るしかありません。

しんどい

 

注意したい「属人性の排除」の罠

頭が良い奴らは凡人のことを理解できません。
だから、彼らの言う「属人性の排除」は「標準化」ではなく、「俺らレベルの人にとっての属人性の排除」です。
優秀な人「属人性排除しました」は信用しないでください。

これが他の業界、例えば工場の生産ラインなんかだと、マニュアルを作って実行させてちゃんと実行できたかを見て、できてなければ改善するみたいな、当たり前のPDCAが存在するんですが、IT業界はまだその域まで達しているケースは少なく、「分からんやつが不勉強で悪い」で終わります。

特にソフトウェアは見えない部分も多いので、経営者もCTOにお任せなんだと思います。CTOがその「頭の良い奴ら」ならどうなるか分かりますよね?そう言う感じです。

 

選民戦略的になりがちな条件

  • CTOかリーダーに選民思想がそもそもある
  • 新しい技術、バズってる技術が好き
  • 難しく書いたほうが勝ちという風潮
  • ドキュメントやコメントは要らないという風潮
  • 地頭が高い人が多い
  • 年収が高い、上昇志向が強い人が多い
  • キラキラしている
  • そういう界隈からのリファラル採用が多い(インフルエンサーなど)
  • 最初に書いた人が難しく書いた
  • 標準戦略を言い出しにくい空気
  • 社風がイキリ散らかしている
  • 社長がそういう性格
  • 癖が強い
  • 採用技術に見たことないワードが有る

具体的には、一部のベンチャー、一部のメガベンチャー、スタートアップ村、インフルエンサー界隈。技術力を売りにしてる企業、技術が好きな人が集まってる企業。

 

標準戦略になりがちな条件

  • 技術よりもビジネスが中心
  • 技術よりもプロダクトに興味がある
  • 尖った技術力が要らない
  • ギーク感が薄い
  • 人数が多い
  • 年収が並、上昇志向はそんなに強くない
  • インフルエンサーが関わっていない
  • 採用技術が平凡

ただ、重要人物1,2人の存在でガラッと変わったりするので、入ってみないと分からないですね。

 

まとめ

地獄

 

______

 

ちょっと自分で読んで足りない部分があると思ったので追記。

「戦略的に選民している」会社よりも、「入った一番優秀なエンジニアが選民化している」というなし崩し型の選民会社のほうが多いです。

これは何故かというと、優秀なエンジニアが「このくらいのレベルが妥当」と言ったときに、周りはそれを否定できないからです。

まあ上で書いた通りそれでもいいいんですけど、「失敗するケース」でも書いた通り失事業レベルで敗することがままあります。

そしてエンジニアはそういう会社にもよく遭遇するはずです。

つまり「理想ばっかり高い会社」なんですが、これも「誰にもどうしようもないし、どうにかしようと思ってはいけない事が多い」ので、事故ったと思って諦めましょう。