IT業界で気づいたことをこっそり書くブログ

くすぶってるアプリエンジニアが、日々気づいたことを適当に綴っていきます(受託→ベンチャー→フリー→大企業→ベンチャー→起業)

なぜ軍隊は未だにピラミッド型組織なのか?アジャイル型組織との比較

anond.hatelabo.jp

 

Q.なぜ士官学校を卒業した人が上に行くのか、その方が合理的なのか、叩き上げの人間は登用しないのか?
 
これは組織の大きさと、管理職と実行職の役割がどのくらい異なっているかに依存するかなと思っています。
 
例えば沢山の人数(例えば1億人)で1つのミッションをすることを想像してみると、

 

タスクを分解して、命令を出し、実行し、結果を受け取って、評価する


という一連の流れを細分化して構造化していかないと上手く動かないと気づけると思います。1億人総フラットは難しいです。全員が同じタスクをする工場のようなミッションならともかく、複雑なミッションなら一人ひとりにタスクを割り振らなければなりません。
1000万人総フラットも難しいでしょうし、100万人フラットも難しいです。
大きな組織ではそうやってだんだん階層が深くなっていきます。

 

階層が深くなると、それだけ伝言ゲームが多くなっていくので、伝達ロスが増えていきます。伝言ゲームの回数が増えていって組織が変な動きをしてはいけないので、変な自己判断をせず、命令を忠実に熟すことが求められてきます。

 

つまり組織が大きくなる≒階層が深くなるほど、命令を忠実に守らせる必要があり、結果上階層と下階層で役割が明確に分かれることになるわけです。

 

軍隊というのはやや特殊な環境下にあるので、この一般論だけでは語れないと思いますが、軍隊はとにかく大きな組織ですので、それだけピラミッド型組織じゃないと上手く動かないのだと思います。
そしてピラミッド型そしきであるほど管理職と実行職の役割が明確にわかれるので、叩き上げが発生しづらくなるといえるでしょう。

 

社会におけるピラミッド型組織

よく見かけるのは公務員ですが、IT業界においてはSIerがそれにあたるでしょう。
あれは人集めという観点もあるので厳密に上記の理由ではないと思いますが、1万人月近い工数を捌くような規模を考えるとやはりピラミッド型組織にならざるを得ないのだと思います。

ボーダーラインがどこにあるのか、私なりに観察してみると約1000人を超えたあたりからピラミッド型組織以外が厳しくなる印象です。

 

ピラミッド型組織の弱点

  • 動きが遅い
  • 上ばかり得をするため不満が起こる
  • 指揮官が無能だったり死ぬと瓦解する

現代の多くの会社がピラミッド型組織から少しずつ脱却しつつあるのはこういうったデメリットにより競争力が落ちるからだと思います。
ただし規模が大きい会社ではやはり未だにピラミッド型組織になっているでしょう。そうでないとしたら、ミッションごとに組織を分けるなど工夫しているのだと思います。

 

ゲリラ的組織

よくピラミッド型組織の比較対象に上がるのがゲリラ的組織だと思います。
ゲリラ的組織はピラミッド型の「動きが遅い」「指揮官が無能だったり死ぬと瓦解する」を解決するために小さい集団が各々同じミッションを目指すような形です。
会社ではあまり見かけることがないかもしれませんが、例えば1つの新技術に対して上場を目指すベンチャーが100社立ち上がったりした場合、それはゲリラ的組織に見えると思います。

 

フラット組織・アジャイル型組織

近年IT業界でよく見かけるのがフラット型だったりアジャイル型組織です。
これはピラミッド型組織の「動きが遅い」「上ばかり得をするため不満が起こる」を解決します。
そのお陰でベンチャー企業が大企業より良いサービスを作ったりするのですが、ただやはり限界はあると感じています。約300人くらいからこの形態を愚直に反映するのは難しくなると思います。

逆に300人以下の規模では実行職と管理職の仕事の差異が小さいこともあり、ポストを十分用意することが難しいケースもあるのでフラット・アジャイル型組織の方が向いているような気がします。

そう考えると、大企業か中小企業かで学ぶべきことも様変わりするでしょうから、キャリアパスを考える際は注意が必要ですね。