近況、日記 20160830
夏休み以降調子が悪い
持病の乗り物酔いが原因か、はたまた持病の胃腸が原因か、もしくは持病の自律神経失調症が原因か、働き過ぎか
もはやMPはゼロに近い
今週できたら脳神経外科に行ってみよう
きっとあたまがわるいに違いない
転職活動
通年行ってる転職活動だが、転職ドラフトの方は縁がなかった
そろそろ大企業に潜り込む方針は諦めようかと思う
メリットもあるがデメリットもあるので、基本フリーで頑張ろう
(外資はまだ縁があればあるかもしれないけど)
今の現場がいつまで続くかわからないが、最近本当に体調が悪いので今のややヌルい環境はちょっと助かっている(なんて言ったら怒られるが)
散歩
土日に久しぶりに街を散策した
もう5年も住んでる街なのに、あまりに知らなくて苦笑
本屋が何件か潰れていて時代を感じてしまった
あと子どもが減った気がする、気のせいかな
お金
ようやく高給に慣れてきた
意識せずとも勝手に貯金が増えてきたが、意識すると皮算用を始めそうなので当分はこのまま小さいルールを作るのを心がけたいと思う
金に余裕ができても、ぶっちゃけこの超デフレ国日本ではそこまで嬉しいということはない(商品が大抵お手頃価格)
最近は月額課金化も著しく、下手すると金を減らすこともできない
もちろん後輩や、家族や、猫などが居ればそこで金が無くなるのだろうが、そんなシアワセな存在は持ち合わせていないし
風俗や車や旅行などの上等な趣味があっても金は無くなるのだろうが、そんなものもなくただの枯れたヲタクだ
でも、体調が悪い時に適当にグリーン車に乗れるのと、金勘定を毎週のようにしなくていいのと、モノを買った時に「やっぱ変える」と別のを買えるのはとても嬉しい
最近、弁護士や開業医の年収を見て、訳もなく「あーあいつらより儲けたいなー」と思えてきたので、今後は彼らを目標にしたい
強欲は悪だと思うが、強欲が尽きた時自分がどうなるかは非常に怖いので、まだ強欲が続いていて安心している
多分いろいろ満足してしまったら、二度と前に進めない気がする
書き溜めてるネタ
MPが切れすぎて、1記事完成させる前に力尽きてしまう
下書きがどんどん埋まっていく
そのうち書こうと思うがその前に腐りそう
まあ2年以内には書く
- 日本の経営者はサイコパスか? 日本のITベンチャーの社長像
- 意識低い系のススメ バカを演じれば上手くいく
- ITサービスにおける著作権問題の現状と、サービス側の対処
- そのナレッジが役に立つかどうか見極める方法
- 【議論】なぜ否定的な意見ばかり目立つのか?「議論」を攻略する
- エンジニアが転職で考えることと、IT業界の今後の十年
- 【ITベンチャー】サービスや、プロダクトの難易度
- 年収を上げる方法 その1(主にITエンジニア)
- ITにおけるチームはデザインパターンで考える
- 現実的に、アプリサービスを作る際にかかる費用
- ITプロダクトを成功させるための人材配置と落とし穴
- 自分のやりたいことを理詰めで掘り下げる
それより小説の続きを書かなければならない
小説の方は4000文字書くのに推敲あわせて1日はかかるのでブログなんて気軽なものだ
はてブならばもっと高速に適当なことを書けるが!!
最近はてブをやりすぎだ
ホットエントリーの全記事に自分のアイコンがついてて笑う
まあMP切れてるから仕方ない
【社畜】働けば働くほど満足度が上がるらしい
オイコノミアというEテレだかの番組でやってた中で面白かった話題です
プロ社畜が満足度高いというお話
Why Do People Overwork at the Risk of Impairing Mental Health?
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/16e037.pdf
週40時間、月160時間労働だと満足度は2.4くらい(単位不明)
そこから下がっていき
週50~55時間、月200~220時間労働、残業40時間~60時間で一番辛くなり
そこからだんだん楽しくなってきて
週65時間、月260時間労働、残業100時間くらいで定時上がりと大差なくなる
というグラフですね
数字の見方、ちょっと疑ってかかる
こういうデータで少し気をつけたいことがいくつかあります
- データをモデル化してるので、誰にでも当てはまるわけではない
- 同じ人に対して、それぞれの時間の時の満足度をとったわけではない
特に後者が重要で、より楽しんだ人が長時間労働をしているだけかもしれません
そこは注意が必要です
でも個人的には感覚値に合ってる
参考
http://otihateten.hatenablog.com/entry/2014/11/03/031503
個人的には月の残業が60~110時間くらいが一番仕事だけに集中できる感じがしました
※あくまで感覚値であって、実際の能率は違うはずです
このくらいになると何日か会社に泊まることになるのですが、合宿みたいな感じで別に嫌ではないです
対して月の残業が40時間くらいの時はスゴくイライラしていて、もっと早く帰りたいと思うことが多かったと思います
まあもちろん状況によるんですけど、ストレスとか
ちなみにグラフでは週80時間までありますが、さすがに月残業160時間は2ヶ月しかやったことがありません
そういう状況は満足度とかいうレベルではないと思います、大体炎上してるので
でもそういうのって後から謎の社畜武勇伝(笑い話)になりますよねw
テレビ番組での結論
この結果をどう分析するかですが
テレビ番組では「仕事って中毒になるから良くないんだよ」「健康を害するからよくないよ」という結論でした
至極真っ当ですね
他のテーマでもあくまで残業=悪という論調でした
中毒を活かすことができるのでは?
私の結論は少し違っていて
中毒を活かすことができれば短期的に集中して成長したり、物事を片付けられるのでは?と思いました
若干危険な発想ですが、例えば10週間働くときに
週55時間位で、残業イヤだなーと思いながら10週間やるより
週65時間を5週間、週45時間を5週間やったほうが、満足度が高く保てるのではということです
もっと言えば、それを休日で調整してできたら一番いいのではないかと思います
もちろん、融通の効く仕事じゃないとムリですけどね
(ちなみに個人的にはもっともっと極端な働き方がしたい。1月休むとか)
その他の雑感
このグラフが真実だとすると、プロ社畜が何となく自慢気なのも説明がつきますし
それより早く帰ってる月40時間残業層の愚痴が多い気がするのも納得です
まあ、原因と結果が逆な気もしますけどね
不満が多い人は「そこそこ残業」の帯域に陥ってしまう、みたいな
そういう人って早く帰りたいけど仕事は残ってるので「そこそこ残業」になるはずなんですよね
そこで不満がない人は終電までやっちゃうんですよ
責任追及が議論に及ぼす悪影響と、対策
参考になる好例が降って湧いたので書いてみます
- 誰が何を気にしているか
- 責任追及がこじれる原因、その特徴
- 問題抽出の失敗
- 責任追及に発展した、さあどうする
- 案1.無理やり責任を被る
- 案2.こっそり解決する
- でもやっぱり逃げたほうが良い、というか解決できない
- 未然に防ぐためにできること
- 自分が気をつけること
- 問題に対処するとどうなるか
仕様をfixさせるなどの際、IT業界では議論をして複雑なロジックに落とし込まなければならなりません
その時リスクになるのが責任追及です
以前KPTについてQiitaに書いたんですが、その際も責任追及の悪影響について触れました
本当はすごいKPTで強いチームを作る for エンジニア - Qiita
今回は貧困JKうららちゃんのケースをみつつ、考えていきます
※なお体調がよくないので文章がモニョモニョですw
誰が何を気にしているか
全体を俯瞰すると大体こういう構図だと思います
赤い線が責任追及です
これは一例ですが、関係者が揉めているシーンではこういう複雑な状況に陥ることが多いです
責任追及がこじれる原因、その特徴
カテゴライズがおかしい
例えばメディアがJK叩きを批判する場合は、過激派を上手く対象化する必要がありますが、もっと大きく囲って「インターネット」と言い表してしまいます
これは早まった一般化に近いです
早まった一般化 - Wikipedia
他の例を挙げるとすると、自分の奥さんがムカつくからと「何で女はこうなんだ」みたいな愚痴をこぼす時も同じです
「罪を憎いんで人を憎まず」も同じ意味ですね
カテゴライズがおかしいと、関係ない人も混ざっているためもちろん問題を除去できません
問題が除去できないので未来志向の話ができず、有耶無耶になってしまいます(責任追及に終止してしまう)
全体が見えていない人が多い
全体の経緯や、誰が何を気にしているかを分析するには情報が必要ですので
そもそもPMなどのように情報を得られる立場にいるか、そういう人にヒアリングしなければなりません
しかし多くの人は目の前にある情報を鵜呑みにして反射的な反応をしてしまいます
上図で最も近視眼的なのは、まとめブログなどの読者と、メディアの視聴者ですが、ほぼ全体がある程度近視眼的になっています
全体をみようとしないと、何が問題でゴールがどこなのか容易に見失います
または簡単に間違ったカテゴライズをしてしまうこともあります
全体を類推するのが難しい
誰が何についてどういう情報を取得し、どう考えてどういう結論に至ってどこが問題だと思ってどうしたいと思ってるのか
それを類推するのはそこそこ難易度が高いのではないかと思います
(私はとても得意なんですが、自分以外だとディレクターはできてる人が多い印象です。エンジニアは不得意な人が多いですね)
メディアの存在
炎上させることが目的の人が存在すると一気に混乱します
プロジェクトでは余りいないかもしれません
原因追求のつもりが気づかない内に責任追及になる
今回で言うと、皆が「NHKが捏造したのかどうか」をテーマにし始めましたが
この時点で実は犯人探しになってしまっています
しかし面白いことに、皆はおそらくそれに気づいていません
大事なテーマがどこかへいってしまう
今回のケースで言うと貧困が大事な話であるにもかかわらず
正常な議論構造にならなかったため、簡単にテーマが逸脱しました
何も考えていない人の存在
今回で言うと過激派(愉快犯)ですが
そういう人たちがさらに話しをこじれさせます
特に組織間など、大きな枠では皆が混乱するトリガーになります
問題抽出の失敗
責任追及に至ると今回のようにどこまでも連鎖反応が起こり、問題の抽出が不可能になっていきます
当たり前ですが問題の抽出が上手くいかなかった場合、ほぼ解決の見込みはないです
例外としては誰かが何とかするケースや、誰かに全責任を押し付けてしまうケースですが、インターネットのこういう事象ではほぼ不可能ですね
責任追及に発展した、さあどうする
逃げるか立ち向かうかで、普通は逃げるために責任回避の方向に全力を出しますが
一応このブログは「何とかする系エンジニア」なので、なんとかする方に舵を切ってみます
さあどうしましょうか
もう一度図を見て欲しいんですが、彼らの中で目標を収束させ、解決に導くために仲間に引き込めそうな人は居るでしょうか
居ませんね!
なのでこいつら全員無視しましょう
案1.無理やり責任を被る
一つの案として、被れそうなら責任をもろに被ってしまう手です
もちろんそれで実害が出すぎるとNGですが
責任追及をしている人たちは、基本的に悪気があるわけではありません
彼らは彼らなりに解決しようとして失敗しているだけで、善良なバカです
モチベーションとしてはこんな感じでしょう
1.問題がある、何とかしなければならない
2.問題を解決するために、原因を追求する
3.原因を追求した結果、人・組織に行き着いた
4.あいつが悪い
壊れたスピーカーのように「何もかんも政治が悪い」って言ってるような人と同じイメージです
彼らは当初の目的の1.2あたりを忘れてしまっているので、いざ誰かが責任を被り「私が解決します」と言い出すと、我に返ります
我に返った後の行動としては以下の2パターンがありますが
- いいや、君よりあいつが悪い、あいつがなんとかするべき(責任論)
- そうかわかった、こうするべきだ。こうしろ(指示厨)
どちらも「はいはい」と受け流していればそのうち飽きると思います
皆が飽きたら問題対処の権利を奪えるので、あとはゆっくり考えましょう
その時、一人ひとりは問題意識を持っているのでアイディアをくれると思います
ついでに愚痴も言ってくるでしょうが受け流しましょう
案2.こっそり解決する
責任追及議論は、解決すべき問題を放置して永遠に続いてしまいます
その時はこっそり解決してしまう手があります
デメリットとしては2つ
- 彼らをあまり巻き込めない、巻き込むと責任追及議論に冒される
- 何で勝手にやったんだ、あいつがやるべきだと言われる
どちらもうざいですが、対処方法はあります
前者は、個別にアプローチし、全体像は伝えない方法です
あくまで具体的な話のみに終止させれば暴走は抑えられると思います
後者は言い訳を作る方法があります
一番やりやすいのが部長や経営陣など上層部を味方につける方法で、「あの人と相談して、指示されてやりました」と言えば一旦収まるでしょう
とは言え、長時間こっそりやって、かつ解決しなければならないので相当つらい作業です
精神を病みます(前職でこれありましたが中々地獄でした)
でもやっぱり逃げたほうが良い、というか解決できない
解決しなくてもいいなら逃げたり無視するほうが絶対いいです
というか解決できない問題の方が多いと思います
解決できないパターンとしては、
- 規模が大きすぎる
- 解決が難しすぎる
- 責任を被ると実害が出て詰む
- 目標のコンセンサスが取れない
などがあります
今回のケースもそうですね
国に関わるのは大抵これです
パニック映画などで見たことないでしょうか
「そもそもどうしてこんなことに・・・そうだ、あいつのせいだ、あいつが悪いんだ」
未然に防ぐためにできること
- 責任ではなく、アクションの意思決定を議題にする
- 問題を明確化する
- 関係者を増やさない
- 陰謀論をやめる
- 責任範囲を明確化して、揉めた時に誰が中心となるか決めておく
- 責任追及を禁止する
まあ関係者が自分の制御下にないとそもそも暴走してしまうので
大抵の場合どうしようもないんですけどね(´・ω・`)
私なら、ミーティングに出る人が6人を超えたら制御できる自信がないです
そこらへんはPMが本職なので、そういう皆から信頼されてる人に頼るのも手ですね
自分が気をつけること
責任追及のトリガーを引かず、話を本筋に戻すためには
わからない・難しいことを受け入れる必要があります
わからないこと、難しいことに直面すると「そもそも論」になり、議題を上流に戻したくなります
これは問題解決の方法としては正しい行為ですが、「人」「組織」「常識」というレベルまで行くと一気に難解さが爆発します
「何が正しいか」「彼は正しいか」まで遡っては行ってはいけません
遡って良いのは哲学者だけです
そこまでいくのは全力でぐっと堪える必要があります
※エンジニアは感覚的にこのことを理解しているのか、あまり他者批判までいく人がは少ない印象です。解決しないと仕事が終わらない職業ですからね!
あとは、他者が行った責任追及に釣られないことが重要です
これも、思わずやりたくなるんですけどね
同調も、反論もNGなので返答に窮しますし
問題に対処するとどうなるか
彼らは今度、その対処方法の質にギャーギャー言い始めます
しかし今度はテーマにできるモノがあるので
変な方に議論が行くのは少なくなるでしょう
逆に中心となるモノがないと、途端に責任論をやり始めます
アジャイルなどの開発では、とにかく触れるモノを作ってしまうことがよく求められますが
こういう経緯なのだと思っています
【愚痴】Qiitaの良くない記事がはてブでバズる問題
愚痴と課題です
Qiitaでたまにツッコミどころ満載な記事や、低レベルな記事、初心者向けの記事がストック数上位に来ていることがあります
初めのうちは「どっかで拡散されてるのか?」「どっかのコミュニティの人か?」と思ってましたが、はてブが諸悪の根源だと最近気づきました
おそらく経緯はこうでしょう
1.ツッコミどころが多い記事や、賛否両論な記事、タイトル速報な記事などが投下された時、(私も含め)はてブ民がはてブでコメントする
2.テクノロジーカテゴリのホットエントリに入ってくる
3.中をよく見ていない人や、意識高いようで低い人が「今これが盛り上がってるのか」[あとで読む]にして、ブクマ数が増える
4.中をよく見てない人や、意識高いようで低い人が「今これが盛り上がってるのか」とストックする
5.デイリーランキングやら、週間ランキングやら、人気の投稿に上がってくる
6.ノイズになる
まあよくある話なんですけど、ノイズが大きい感じがします
ノイズが大きいと、「Qiitaはそういうところ」という認知が広がっていき、質低下の要因になるでしょう
課題としては良い記事を見つける仕組みがQiita内外合わせて貧弱なことです
APIは公開されてるんですが・・・アプリ作ろうかなぁ
広告とか入れて良いんですかね(入れないけど)
【解説】日本の貧困報道に関する諸問題
※IT関係ない
貧困JKうららちゃん(語感がいい)に関する報道が炎上しているのは別にいいんですが
それに関するTwitterやはてブのコメントを見ると、ちょっとイマイチ分かってない人が(2chに比べて)多すぎると思ったので解説です
これに関しては本質を突いてる記事も大分少ないです。というかメディアが混乱を助長させてます
世の中、統計読まずに適当に言う人が多くて目眩がします
ソースとか読んだ奴とか
ここらへんと、そのブクマ、Twitterなどを読みました
※ちなみにここに上げたまとめや記事は悪くないと思います。悪い記事を見たかったら「子どもの貧困」でググってください。それらの記事はほぼ全部クソです
本家
記事やまとめやブログやTwitter
自由ネコ自由ですき
ここから本題
超今更!相対的貧困率の実際
10年くらい前から2chでこの話題をしょっちゅう見るのでいい加減うんざりですが
NHKが「6人に1人」と言ってる相対的貧困率は何かと問題があります
説明が難しいのですが、Wikipediaに書いてました
相対的貧困[7](そうたいてきひんこん)の定義は「等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯員」であり、この割合を示すものが相対的貧困率である。ただし、預貯金や不動産等の資産は考慮していない[8]。
つまり
(世帯の手取り/(世帯人数^0.5)) の中央値の半分以下の世帯が相対的貧困家庭です
例えば、世帯人数が全て4人だとして、世帯の手取りの中央値が550万だったとします
(世帯の手取り/(世帯人数^0.5))の中央値=550/2=225万
この半分の112.5万円に満たない1人世帯や、225万円に満たない4人世帯が相対的貧困層です
この定義だと、最大で貧困率50%です
真ん中の人が凄いもらってて、真ん中より下の人がゼロだったら、約50%の人が貧困ですよね
全員が同じ額をもらっていたら、貧困率0%です(共産主義?)
普通に正規分布している場合は、貧困率0~25%の間になります
要は中央値と下層がどれだけ格差をもっているかが肝になります
実際の金額はこんな感じです
2013年の国民生活基礎調査では、日本の2012年の等価可処分所得の中央値(名目値244万円、1985年基準実質値221万円)の半分(名目値122万円、1985年基準実質値111万円)未満が、相対的貧困率の対象となる。各名目値で単身者では手取り所得が約122万円、2人世帯では約173万円、3人世帯では約211万円、4人世帯では約244万円に相当する。
1年の総労働時間を法定労働時間2096時間~2080時間とすれば、名目値122万円の年収に達する時給は約583円~587円以上となり最低賃金水準を下回る、2人世帯では時給約826円~832円、3人世帯では時給約1,007円~1,015円、4人世帯では時給約1,165円~1,174円で名目値の年収に達する。
3人世帯の場合で労働者が1人の場合は、フルタイム働いても時給1100円くらいもらわないと相対的貧困者になります
そして、日本はそういう家庭が16%あります(6.25世帯に1世帯)
子供を持つ家庭に縛れば16.3%です(6.13世帯に1世帯)
ちなみにOECD35カ国(先進国)の平均は11.3%で(9世帯に1世帯)
日本がOECDの中で4番目に高いというのが問題視されています
他、適当に挙げると
アメリカ:17.4%(3番目に高い)
スペイン:15.4%
オーストラリア:14.4%
スウェーデン、デンマーク:6%(最低ライン)
相対的貧困って何が問題なの?
これが非常に厄介です
絶対的貧困は分かりやすいです
最近定義が変わったらしく、「1日あたり生活費が1.9ドル以下」となりました
日本にはほぼ居ませんが、そういった人が大変なのは分かりますよね
相対的貧困問題っていうのは、要は格差問題なのですが
じゃあ経済格差って何が問題なの?と問われると非常に難しいでしょう
経済的不平等 - Wikipedia
Wikipedia先生的には
「健康に問題が出る」「犯罪が助長される」「経済成長率が問題となる」とあります
子どもの貧困 - Wikipedia
子どもに焦点を当てると、「家庭が荒れる」とか「就学の不平等」が挙げられます
しかしこれらは皆が想像する絶対的貧困の問題に比べて、思いの外軽い印象を抱くのではないでしょうか
命に別状もありませんし、最低限ふつうに生活もできます
スマホだって持とうと思えば持てます
例えば就学面での制限などは確かに問題ですが、相対的貧困を解決しなくても別の手段で解決できるレベルの問題で、「相対的貧困こそ問題の中心だ」にはなりにくいでしょう
何で日本は相対的貧困率が高いの?
相対的貧困率は、1980年代半ばから上昇している。この上昇には、預貯金や不動産を所有しつつも収入は年金しかない「高齢化」や「単身世帯の増加」、そして1990年代からの「勤労者層の格差拡大」が影響を与えている。「勤労者層の格差拡大」を詳しくみると、正規労働者における格差が拡大していない一方で、正規労働者に比べ賃金が低い非正規労働者が増加、また非正規労働者間の格差が拡大しており、これが「勤労者層の格差拡大」の主要因といえる[14]。
経済学者の大竹文雄は、日本で相対的貧困率が高くなっている要因として、1)不況、2)技術革新、3)グローバル化、4)高齢化、5)離婚率の上昇を挙げている[15]。
結局のところ、ほとんど
- 非正規が増えたから
- 年金生活の老人が居るから
- シングルマザーが増えたから
- 中福祉中負担だから(再配分)
- 世代間格差があるから
の組み合わせです
特に再配分の話が大きく
アメリカが日本より相対的貧困率が高く、日本がそれに次いで、韓国やオーストラリアが続き、北欧が一番低い
という時点で高福祉高負担なほど格差が縮小されているのはわかると思います
ちなみに「きちんと再分配されているか」という話でもありません
「きちんと別け隔てなく税金を徴収しているか」です
相対的貧困率に使う値は、税金を除いた可処分所得です
なので例えば年収1000万円の人から税金を800万取って、年収300万の人から税金を100万円取ったら、同じ可処分所得となります
何も不思議な点はありません
なるようにしてなった感じですし
どの程度均すかは、その国の人達が決めています(高負担or低負担)
子どもの貧困問題≒シングルマザー問題
先ほど計算したとおり
2人世帯で時給820円以下とか、3人世帯で時給1000円以下、4人世帯で時給1100円以下なら相対的貧困です
例えば2人が夫婦なら、共働きができるので特に理由がない限り相対的貧困層になれません
夫婦+子供2人の場合でも、夫婦が両方非正規で働こうが相対的貧困層になれません
一方で、親1人子1人なら、時給820円でも相対的貧困層です
正社員で月手取り13万円だとしても相対的貧困層です
親1人子2人なら、年収200万円を割ると相対的貧困層になってしまいます
このように色々モヤッとしますが、とりあえず老人を除くとほとんどの相対的貧困層の該当者はシングルマザーになるようです(他の人は自助努力で解決できますから)
そのため離婚しなければ相対的貧困層ではなかったという苦しい状況が生まれます
子供がいる現役世帯のうち大人の貧困率が一人54.6%、大人が二人以上の貧困率が12.4%となっている。※大人とは18歳以上の者、
1人親の半分が相対的貧困層です
日本はシングルマザーに理解がない?
実際問題、日本はシングルマザーに冷たいのだと思います
でもそれも仕方ない話で、そもそも日本のシングルマザーは少ないのです
数が少ないから社会問題にもなりづらく、結果的に冷たくみえるというのはよくありますよね
これって子供の貧困問題?
ここまで読んでいただけたら、こんなふうに思わないですか?
- 当たり前のことが当たり前のように起きてるだけ
- 子育て問題はたしかに問題
- これって貧困問題か??
私は毎度こう感じています
「子どもの貧困問題」が独り歩きする
日本の6人に1人の子どもが貧困です!
そう言われるとびっくりするかと思いますが、問題なのはその後です
情報リテラシーの低い人は、こういう行動をします
- とりあえず信じる
- 自分の普段の不満から、問題点を探す
- 格差が問題だ!私も苦しい!日本が!政治が!大企業が! と不満を漏らす
意識高い系は、更にこういう行動をします
- 子どもが可哀想だ! 何とかしなければ!
- 話しあおう! 皆にこの事を伝えなければ!
- 当事者の子どもに事実を伝えてもらおう!
こうして、実際に内容をよくよく見てみると、単なるシングルマザー問題なのに
「子どもが貧困で大変」という先入観を持ちつつ明後日な行動を始めます
そして実際に何が大変なの?を掘り下げるとNHKのような訳の分からない動画が完成するというわけです
NHKはVTRで「進学」のことにしか触れていませんよね
センセーショナルな報道の仕方
メディアの性なのかもしれませんが
彼らは非常に大げさに、事を大きくするような表現をします
6人に1人・子ども・貧困
というのは非常にびっくりする表現ですが
OECDの平均だと9人に1人が相対的貧困層です
9人に1人・子ども・貧困
そう言われても「これは問題だ!」となりませんか??
ちなみにスウェーデンでも16人に1人が相対的貧困層です
あれだけ税金とって再分配しても統計的にはそうなります
資本主義なので当たり前ですよね
”OECDの”相対的貧困率
実際「貧困」を表す計算式は色々あるらしいのですが
たまたまOECDの相対的貧困率が高く出て、それが相当前にバズりました
確か、バズって皆が問題だ!となってから、厚生労働省もその値を使い始めたんじゃなかったかと思います(昔は使ってなかったですよね)
みんな何と戦ってるんでしょうね一体・・・
貧困JKうららちゃんで何が起きたか
ここらへんは憶測が混ざるのですが、いつもいつもヘンテコな報道をやらかすので恐らくいつものパターンだと思います
- 「子どもが貧困で苦しんでいる」という結論ありきで神奈川が会議を設置(相対的貧困を理解していない)
- 実際に「相対的貧困」に該当する子どもを見つけてきて、「惨状を訴えてください!」と頼む
- 子どもは子どもなので「うちそうかもしれない!確かに貧困だし!」と勘違いする
- テレビ局が嗅ぎつける(か、県がテレビ局を呼んだか)
- テレビ局が「貧困で苦しんでいるうららちゃん」という結論ありきでエピソードを集めていく
- 実際には絶対的貧困ではなく、単なる相対的貧困だし、今はバイトもできるから学費以外はそこまで困っていない
- そのためエピソードにムリや矛盾が出てくる
- それを見たネットユーザーが「ふざけんな!」となり
- 「JK最低だな」になり
- 「いやでも貧困なんじゃない?JK叩くのはおかしい。NHK叩こう」となり
- 訳が分からなくなる ← 今ここ
(でもこれ、何度も何度も同じことやってるよね・・・)
NHKが捏造したというよりは、恐らく本当に理解してなくて(演出は入れてそう)
貧困JKうららちゃんも、恐らく本当に理解してなくて
でも「うららちゃんは貧困で問題らしい」「問題なので視聴者に伝えなければ」
と、もう破綻もいいところですね
※憶測ですよ?(裏取れませんから)
この流れ、問題はどこにある?
- 貧困問題とかが大好きな意識高い系の中で、行動力ある割に頭の悪い奴ら
- 頭の悪い自治体
- 頭の悪いメディア
- センセーショナルなことを書きたくてしょうがないメディア
- 演出やエピソードを無理やり入れようとするテレビ局
- 一般人の情報リテラシー問題
- バズ問題
- OECDの指標に乗っかる行政
これらだと思います
特に子どもを焚き付けてる奴らがどうしようもないですね
子どもから搾取してるのは一体誰なんでしょう??
確かに相対的貧困に関わる問題は、情強を気取ってるネラーですら理解できているのが4人に1人くらいなので、ちょっと難しいのかもしれません
そうは言っても、NHKや自治体は理解していないとダメだと思います
この中ではうららちゃんが一番被害者ですね
大人ならまだしもまだ子どもですから
「あなたは可哀想な貧困者です」って言われて「違う」と言い切れる人がどれだけ居るでしょうか?
相対的貧困率は今後下がる?
恐らくほとんど下がりません
麻生元総理が言ったように、日本は中福祉中負担が受け入れられています
これ以上アメリカのようにも、ヨーロッパのようにもなる可能性は低いですよね
なら変わるわけがないです
単なる再分配の問題なのですから
下がる可能性があるとすれば
最低賃金が1000円以上になり、シングルマザーの生活が保証され、老人の年金が増えるなどでしょうが
もう一度バブルでも起きないとムリじゃないですかね?
つまり今後も毎年のようにこの話が出てきます
うざいですね
子育て問題と学費問題
子どもが、貧困が、可哀想、とかいう話は脇へ置いといて
子育て問題と学費問題は切り分けて対処が必要なはずです
少子化が叫ばれてる中、若い子育て世代が一番金がなくて苦しいという酷い状況にもっとフォーカスを当てていきたいですよね
もちろんその際には「シングルマザーにもっとお金を渡すの?」などの諸問題に踏み込むのでとても難しい判断になるでしょうけど(でも最近なんか取り組んでますよね、養育費問題)
とは言っても学費問題は一応奨学金があります
貧困JKうららちゃんの場合は、専門学校であるのとかアニメ系であるのとか鑑みて親が辞めさせたんじゃないですかね??アニメ業界は闇が深いですから
もちろん奨学金制度も問題になってますけどね
相対的貧困率から離れる
低賃金問題はきちんと考えるべきです
しかしその時に「相対的貧困率を上げれば解決する」という話にはなりません
先程も書きましたが、例えば「夫婦+子ども2人」の場合、両親が非正規労働者でも相対的貧困層には該当しません
2人世帯で、手取りが13万円でも相対的貧困層ではないし、1人世帯ならフリーターである限り相対的貧困層ではありません
でもどう考えても苦しいですよね?
理由は相対的貧困率の計算式がざっくりし過ぎだからです
なんで中央値を2で割るんですか?? その程度の指標なのだと思います
しかし、これだけセンセーショナルに独り歩きしてしまうと皆がその数値ばかりみてしまってどうなのと思います
ゴシップメディアだけならまだいいですが、一流メディアや行政もそれに乗っかっては正しい対応なんてできないじゃないですか
そういう意味でNHKがこういうことを言い出すとすごくイラッとしますよね
(ちなみにネラーはいい加減飽きてる様子。飽きて分からないふりをしてJKをいじる・・・)
おわりに
最後に一言だけ言いたい
「バカばっか」(南央美ボイス)
ふーすっきり
追記:
蛇足ですが
キーボード問題と、なぜうららさんだったかについても妄想してみました
キーボード問題
これ、多分「学校の情報の授業で分からないところがあるからPC欲しい」という要求に対して親が「それならPC買う程でもない」と真っ当な発想でキーボードだけ買ったんじゃないですかね? 親子揃ってPCに疎ければあり得ると思います
それを「あなたの家庭は貧乏です」と言われた時に「貧乏だからPC買ってもらえなかったんだ」と勘違いした説。てか何でVTRに親が出てきてないんですかね(って仕事か)
なぜうららさん問題
非常に失礼ですが、もっと高学歴の貧乏家庭の子の方が素直に同情される気がします
と思ったんですが、そういう子は奨学金ありますから、よほどじゃない限り困ることはありません。結局、みんなで存在しないヒロインをでっち上げて破綻した感じですね。そういうのが一番炎上してしまうんだよなぁ・・・
以上妄想でした
【解説】「モノ」の時代から「コト(体験)」の時代へ 若者の購買行動の変化とIT
こんな記事がありまして
お、「モノからコトへ」の話かな、と思ったらそこまで深い話ではありませんでした
なので自分で書いてみます
一応言うとITめっちゃ関係ありますよ
- 若者は”モノを持つこと”に興味がない?
- モノの本質的な価値だけを売る時代
- モノから解き放たれると、価格に自由度が生まれる
- 必要な価値を、必要なときに、必要なだけ使う
- 実は既に多くの場所で利用されている
- これからモノはもっと売れなくなる
- シェアリングエコノミーの様々な軸
- 価値販売は何をやっているか、その強み
- 価値販売にはITシステムが不可欠
- 物販業界の苦悩
- ただし価値販売サービスは非常に難しいので注意
- 若者には物欲がない?モノを買わない?お金がない?
- おまけ:IoTって大丈夫なのかな?
- 追記:
※ちなみに裏は取ってないのでほぼ推論です。適当に読んでください
若者は”モノを持つこと”に興味がない?
(※正直なところ、若者じゃなくて「現代人」と書きたいんですが)
今はモノが売れない時代だと言われています
大抵そういう記事が書かれると「金が無いからだ」「携帯代のせいだ」と言われますが、本当にそれだけでしょうか? 私は他にもあると思っています
物を買う理由はいくつかあると思います
- 必要だから(必要性)
- 欲しいから(物欲)
- 皆持ってるから(コミュニケーションツール)
- 持っている状態に憧れるから(ステータス)
例えば地方の会社員は今でも車を持ってますよね
「持ってて当たり前」くらいに持ってます
つまり必要性に関しては昔も今も変わっていないはずです
(※車以外は必要性が変化しているものもあります)
しかし都内の若者はほとんど車を持っていません
昔は持っていたらしいです
この理由でよく耳にするのが「ナンパに使えないじゃん」ですが、それって要はステータス(持っている状態に価値がある)ですよね
これは予想ですが、現代はモノに溢れた世界になったため、ステータスに価値があまり見いだせなくなり、コスパの悪いものから順に持たなくなっていったのではないかと思っています
もちろん今でも購入や所持そのものが目的になることはありますが、そういったモノに溢れた現代ではそれも食傷気味ですし、購入欲を全部満たそうとすると膨大にお金が掛かることに気づくと思います
そうして「皆が持っている状態」がなくなっていくと、コミュニケーションツールとしても価値が無くなっていき、残るのは物欲と必要性となります
例:車、テレビ
※ちなみにこういう、皆が持ってれば持ってるほどその価値が上がるという状態をネットワーク効果と呼んだります
時代を象徴するような商品は大抵ネットワーク効果が働いているので、それが無くなると一気に売れなくなりますね
ネットワーク効果がより強く発生する「ダイレクトにコミュニケーションツールとなっているモノ(携帯)」は相変わらず「持っていて当たり前」の時代が続いていますね
社会圧として半ば強制力すらあります
モノの本質的な価値だけを売る時代
「所有(購入)に魅力がなくなったのでモノが売れなくなった」という時代になってきたため、今度はモノから所有を引いて売る企業が現れました
(いわゆるユーザー体験です。この用語、ふわっとしてて嫌いですが)
モノから所有(購入)を引いたらどうなるでしょうか?
所有物ではないのでそれを売ることはできなくなります
持っているというステータスもなくなります
カスタマイズ性や利用時間などの自由度も制限されるかもしれません
逆に、管理や維持、破棄の手間は減ります
そしてなにより、モノを利用するという本質的価値は何も変わりません
難しい話ではなく、要はレンタルです
レンタルビデオなんかを想像すると、あれは中の映画を見るだけなら購入と大差無いですよね?
ぶっちゃけてしまえば、所持という行為は「利用するという本質的価値」には大した影響を及ぼしません
※もし若干違和感を覚えるとしたら、何でもかんでもレンタルにしたら面倒だからという点だと思います。実際に何でもかんでもはレンタルにできないのでそれは正しいので、レンタルできるようなものやビデオなどのソフトウェアで想像するとイメージしやすいです
モノから解き放たれると、価格に自由度が生まれる
これもレンタルビデオで考えてもらえばわかると思いますが
1万円のDVDでもレンタルにすることで400円とかいうサイズに切り分けることができるようになります
いわゆるシェアリングエコノミーですね(この単語も本質的ではないので嫌いですが)
レンタルビデオの存在は、1万円のDVDは買いたくないけど400円くらいなら利用したい(本質的価値を享受したい)人たちに受け入れられます
こういう風に
ユーザーが出せる額分だけ出させる仕組みを価格差別といいます
例えばソシャゲやAKB商法なんかも価格差別を使っています
その価値に、100円払いたい人は100円払い、1000円払いたい人は1000円払い、1万円払いたい人は1万円払う状態
全くもって不公平なのですが、この方式が一番売上が上がります(原価が小さくないと使えませんが)
車の場合は時間単位でお金を支払うようにするでしょうから、もう少し公平で受け入れやすいです
つまり、「1つ1つのモノをいちいち高いお金を出して買いたくない」という現代人の価値観に、市場が合わせてきた感じですね
必要な価値を、必要なときに、必要なだけ使う
モノから解き放たれた時のメリットは、価格に限ったことではありません
アマゾンウェブサービスや、クラウドサービスでは既に常識となっていますが、ユーザーの理想を突き詰めると「必要な価値を、必要なときに、必要なだけ使う」になっていきます(そして使った分だけ支払う)
頭を柔らかくして考えなければなりませんが
例えば車だと「車の利用を、必要なときと場所で、乗り終わるまで使う」ですね
Uberのような配車&回収システムさえできれば不可能ではないでしょう
所有を捨てるとそういうこともできるようになります
実は既に多くの場所で利用されている
こういう売り方は既に色々なシーンで行われています(ITサービスの多く)
- 音楽オンデマンドサービス
- 定額音楽視聴サービス
- 電子書籍
- はてなブログ
- サービス利用料
- ソシャゲ
- エアークローゼット(ファッションレンタル)
- 靴のレンタル
- 機械・PCのレンタル(リース全般)
- 定期購読型のWebメディア・雑誌
いずれも所有から解き放たれたからこそ色々な売り方、使い方ができるようになりました
ちなみに月額サービスが多いのは
- 少額に見える
- 安定してお金を落としてほしい
- 解約するの面倒くさい心理で使い続ける
などの事情があります
これからモノはもっと売れなくなる
一旦まとめると
モノを売らないでサービス化することで
- 価格差別の効果を狙える
- 「必要な価値を、必要なときに、必要なだけ(+必要なだけ支払う)」という強みが出せる
ということができます
もしそうなると、物販vsサービスはこういう状態になります
- 物販 :1個1万円 + 維持・管理などの負担
- サービス:1回利用料1000円 + いつでもどこでも
こうなってくると物販は非常に不利なのはわかると思います
例え「合計したらサービスのほうが若干高い」ということになっても不利です
例えば、1ヶ月利用1000円、1年分一度に支払うと1万円、と言われても1ヶ月の方を選択したくなるのは人間の心理だと思います
入り口のハードルが低いですからね
とは言えもちろんこの方法にも限界があります
例えば文房具一個一個をレンタルしたくないですよね。面倒くさいです
使いきりのモノもレンタルできません(食べ物、トイレットペーパーとか)
レンタルが気持ち悪いものもムリです(下着とか)
量産できないもの、スペックが不安定なものも厳しいかもしれません
物販が安価すぎるものもビジネスにしづらいかもしれません
逆にそれ以外はやろうと思えばできてしまいます
そしてそういうサービスが出れば出るほど価格破壊が起き、モノは売れなくなるでしょう
時代を巻き戻すことはできません、だってこちらのほうが便利でしっくりきますから
AWSを利用するエンジニアなら身にしみていると思います
シェアリングエコノミーの様々な軸
「モノ」という意味を拡張して考えると、他にも様々な軸が存在します
少し例を出すと
部屋を貸す AirBnb
駐車場を貸す あきっぱ
印刷機のアイドル時間を貸す ラクスル
空き労働時間を貸す クラウドソーシング
(まだまだあるけど思い出せない)
価値販売は何をやっているか、その強み
※一旦、物販の対義語として価値販売という用語を作ってみました
シェアリングエコノミーには該当しないケースもあるので
彼らがやっていることとしては
- 何かを圧縮したり、効率化したり、切り分けしたり、シェアすることで
- 商品価格の小さい単位を作り、安価にして、ユーザーに提供する
- そこから利便性をどんどん上げていく
というフローなのですが
こうすることで
- 「基本無料」「初月無料」など、入り口の垣根を低く設定できる
- 所有している時以上の利便性を出せる
- 気軽にモノを交換したり、組み合わせたりできる
- 気に入ったら買ってもらうなど、販路を持てる
- 通常の購入より更に高い付加価値を出すこともできる
など非常に強みがでてきます
これらも「モノを売れなくする」一因でしょう
価値販売にはITシステムが不可欠
簡単な話で
- 人件費をかけると価格が高騰する→システム化
- いつでもどこでも→インターフェースが必要
のような事情です
個人的にはこれからもっとそれ系の仕事が増えると睨んでいます
(既に2案件くらい関わってます)
物販業界の苦悩
個人的には、物販業界は価値販売にも攻めて出たほうが良いと考えています
遅かれ早かれ誰かがやるのなら、自分たちでやったほうがいいでしょう
そういう価値観の時代なので仕方ないです
しかし業界レベルでカニバリ(既存事業を食う)ので、特に日本では厳しいだろうなと思っています
なので特に日本では実業家がベンチャーである程度実現した後、物販業界と協業する形がベターなのかもしれません
最悪なのは海外に食われることです
ただし価値販売サービスは非常に難しいので注意
価値販売系のシステムは非常に重たいものになります
イメージとしては「ECサイト+倉庫管理+アプリ」みたいな感じです
まともにやると、軽く見積もっても5000万は掛かってしまいます
また、一つの業界を巻き込まなければならないので営業・経営方面の手腕も必要になります(AirBnbのようなCtoCであれば別)
それに事業がスケールした時に利害関係者の誰かが苦しくなって潰れるような事業設計にしてしまうと、どこかでコケてしまいます
難易度としては相当高いものになるので、流行ってるからと安易に突撃するともれなく死ぬと思ったほうがいいです
若者には物欲がない?モノを買わない?お金がない?
以上のことを考えると、このような主張が古い発想であると気づけると思います
1個だけ必要な商品を10個買いたい人なんてほとんど居ません
同じように、0.1個だけ必要な商品を1個買いたい人もほとんど居ません
若者はその当たり前の行為を行うことで、色々な興味あるものに少しずつお金を払うことができています
まるでスマホのような人間ですね
そしてそういう発想は気づかぬ内に全世代に広がっていくことでしょう
必要なのは市場がそれに合わせていくことです
おまけ:IoTって大丈夫なのかな?
最近IoTも流行ってますが
IoTってぶっちゃけ物販なので、IoTを売るっていうのは時代に逆行してるんですよね
局所的に儲かることはあっても全体としては中々厳しい物になると思うのですがどうなんでしょうか
(個人的にはとりあえずIoTベンチャーには全力で近寄らないようにしてますが)
追記:
アメリカは次の時代に突入してるみたいですね
所有そのものの価値が見直されてるっていうことは、非所有の価値はもう大体分かったってことなんでしょうか? 2周くらい遅れている気がします・・・
【業界】参入障壁とコモディティ化 コモディティ化時代にできること
参入障壁の話を書いたらなんかちょこっとだけバズったんですが
もうちょいディープでウケなさそうな方向で
じゃあ技術者とか、業界の中の人はどうすりゃいいの?これからどうなるの?ってあたりを話します
長いです(8800文字)、暇な時にどうぞ
※ちなみに私は経済学方面の素人です。MBAとか持ってないです、欲しいけど。ほとんどネットで仕入れた知識と経験則と勘です。凄い時代だぁ
- 日本の家電メーカーはどうすればよかったの?
- プロダクトライフサイクルは、労働者でも使える
- 参入障壁が低い産業と、労働集約産業が面倒
- 人材のコモディティ化ってなぜ起こる?なぜ加速する?
- 逆に中々コモディティ化しないもの、またはしてもへっちゃらなものは?
- コモディティ化って悪いこと?
- コモディティ化を防ぐ方法:独占とカルテル
- 海外の脅威:途上国の脅威
- 海外の脅威:コモディティ化のグローバル化
- (余談)ITはオフショア開発、失敗してよかったね
- 非正規の脅威
- ITイノベーションの脅威
- コモディティ化の行き着く先
- コモディティ化に私達はどう立ち向かえばいいのか?
- 転職が当たり前の世の中がいいのでは?(予想)
- 雇用の流動性は変わっていない
- 3つの選択肢 守るか、攻めるか、生き残るか
- いつか終りが来るという気構え、Π型人間+α
- 次に繋がる領域を選択する
- プラットフォーマーの責任
- まとめ
日本の家電メーカーはどうすればよかったの?
日本の家電メーカーが何で苦しいのかというと
前回の記事でも書きましたが、消費者から見てどれもどんぐりの背比べになってしまったからです
そうすると、価格競争に巻き込まれます
※「価格競争」はそれだけで一つの学問領域になるほど深いので、気になったらググってみてください
何が起きたか、分かりやすい概念にプロダクトライフサイクルというものがあります
簡単に説明すると
何か新しい商品やサービスが出てきたとき、上手くいくと導入期、成長期、成熟期、衰退期 と変遷するよ!と言う概念です
導入期
誰かが何かすごいこと始める
成長期
それが儲かるので、皆「俺もやる!」と集まってくる
成熟期
ビジネスとしてでかくなり、方法論が確立される
衰退期
コモディティ化
→レッドオーシャン
→儲からないので皆去っていく
つまりどうあがいても絶望だよという概念です
価格競争でググると多くの「価格競争から脱却」する方法が見つかります
しかしどれも一社単位の話で、業界全体では中々コントロールする術がまだ確立されていないようです
上手く脱却できる汎用的な方法があったらノーベル賞取れるんじゃないですかね?
プロダクトライフサイクルは、労働者でも使える
上の4フェーズ、よく見ると労働者が鍵になってるのに気づくと思います
この理屈は労働者に対しても使えます
導入期にスターのような存在が現れます
カリスマ美容師、ブロガー、Youtuber、ニコ動実況者、ジョブズ、ホリエモン、研究者、有名ゲーム、歌、製品
なんでもいいです
彼らが牽引役となって業界が成長し、盛り上がり、やがて衰退します
どのくらいの時間が稼げるかは、業界のキャパ次第ですが
どうやっても、衰退するか、安定します
歴史的に見ると、第一次産業→第二次産業→第三次産業→現代、と技術革新の度に主業界を変遷してきました
もちろん一番儲かるのが成長期~成熟期です
グラフで言うとBのラインですね
しかし多くの一般労働者が参加するのは成熟期~衰退期です
そして30代〜40代あたりで業界全体が徐々に苦しくなっていきます
衰退期に入ったらどれだけ苦しいかは、第一次産業を見ると察せるかと思います
参入障壁が低い産業と、労働集約産業が面倒
この2つが特に面倒くさいです
※ちなみに美容師よりはITの方が参入障壁は高いですが、ぶっちゃけIT業界も参入障壁は低いですよね。免許とか無いですから。ただ単に、まだ成熟期になりきれていないくらいにキャパが大きいだけなのではないでしょうか
この2つの特徴を持つ業界は
成長期~成熟期により多くの人材を抱えようとします
規模が大きい=強い=売上が大きい=経営者儲かる
こういう構図になってしまうからです
しかしプロダクトライフサイクル同様、どこかで衰退に転じる時が来ます
その瞬間、人件費が重荷になり潰れてしまうんですが
人が多い分、潰れなかったとしても給料が安くてキツイという状態になります
潰れたら他業界へやり直し、潰れなくても低い給料
しんどいですね
でも更に嫌らしいことに、こういう産業は入りやすいんです
人材の量が金のなる木ですから
人材のコモディティ化ってなぜ起こる?なぜ加速する?
とりあえずWikipediaでは製品のコモディティ化についてこのように書いてます
技術の円熟化
モジュール化
基準・法制度
これらは人材面でも似た話なんですが
ちょっと角度を変えつつ考えてみます
価値の上限と、売上の上限
(Wikipediaで言うところの「規格や仕様の存在する製品群・市場」「技術の円熟化」)
※以下は、人材も製品の一つと考えて読んでください
製品価値の上昇が売上に寄与する、という状況があるとします
例)HDDの容量が1Tから2Tになると、価格が約2倍になる
こういうのであっても
1. 永遠に価値を上げていけるわけではないし
2. 価値を上げても売上に直結し続けられるわけではありません
それら上限に多くの製品(人材)が到達してしまったら、コモディティ化が起きます。
人の場合はこういった現象を山の高さに例えたりしますね
(分かり難い図。価値→レベルとしています)
いくつか例を書きます(飛ばしてもいいです)
■HDDの例
例1:(現在)技術的に10T以上が厳しい。だから価値に上限がある
例2a:例え100Tにして価値を上げてもユーザーはそこまで使わない。ユーザーから見た価値はユーザーが使用する上限の価値になる(100Tでも5Tしか使わないなら5T分しか金を払わない→5T以上が同価値になる→コモディティ化)
例2b:1Tから8Tは価格が8倍より大きくなってしまいコスパが落ちる。ユーザーは一番コスパが良い価格を基準に考えてしまう(1T1万円なら、8Tは8万円の価値だと解釈する。実際には10万円だとすると割が合わないので上限が発生してしまう)
■コンビニ店員の例
コンビニ店員の業務を考えた時(以前やってました)
アレはアレで相当難しい作業ですが、バイト1年目の新人と、バイト10年目のベテランで、売上に寄与する度合いはどの程度違うでしょうか
コンビニは店舗型なので、商圏は決まっています
しかもお客さんがコンビニに入った時、どの店員にあたるかはランダムなので、「あの店員がいいからあの店に行く」もなかなか難しいです
そんなこんなで1年目でも10年目でもさほど変わらなくなってしまいます
※もちろんそういう場合は、育成や発注など、レバレッジの効く業務もして差別化することはありますが
■会社の例
毎年一定人数を雇っていて、終身雇用を謳ってる会社を考えます
22歳から60歳まで38年ありますが
10年でレベル上限(Lv10)に達する場合、
22歳Lv1 23歳Lv2 24歳Lv3 ・・・ 32歳〜60歳Lv10 となってしまいます
ほとんどがLv10でどんぐりの背比べです
■もっと端的に言えばきちんとしたマニュアル化がされた時が分かりやすいですね
誰でもできるようになると、最終的に非正規雇用にバトンが渡るまで人件費が落ちます(場合によってはもっと落ちます。海外・個人事業主・内職)
労働市場の最適化で加速する
雇用の流動性が最大だった場合
つまり、より儲かる職業にホイホイ転職する社会だった場合
コモディティ化は加速するのではないかと思います
業界Aが人が多くコモディティ化に喘いでいて
業界Bが人手不足でより儲かるという時
Aに居る人はBに移るでしょう
Aの衰退速度は減速しますが、Bのコモディティ化は一気に加速します
(コモディティ化というよりはむしろ市場の飽和の方が重大となりますが)
もちろん最適化の速度に寄与するのは、雇用の流動性と、労働者の市場の認知度です
プラットフォーマーの登場で加速する
下の方で詳しく書きます
逆に中々コモディティ化しないもの、またはしてもへっちゃらなものは?
後なんでしょう・・・?
自由市場ではとにかく避けられない現象だと思います
あの家電ですらコモディティ化しました
最近は弁護士すら危ういらしいです(枠を増やしたから)
コモディティ化って悪いこと?
ここまで労働者目線で語ってきましたが、視点を変えるとコモディティ化は悪いことでもありません
- 価格が落ちれば消費者は喜ぶ
- ナレッジが貯まれば誰でもいいモノが作れる
- 標準化を素早く推し進めれば、業界は強くなり海外に勝てる
- 参入者を増やし、協調して開拓すればより素早く革新的なことができるし、他業界に食われなくなる(競争の入れ子構造)
とイイコトだらけです
イイコトで、皆が標準化を望んでいます。だからこそコモディティ化は防げないわけですね
いつまでも同じ手法で儲けてるところは技術も体質も古く、既得権益と呼ばれウザがられます
コモディティ化を防ぐ方法:独占とカルテル
また労働者目線に戻します
他の新規参入者を許さず、かつ値段を下げないように皆で示し合わせれば、衰退期を回避することができます
それを実際やってるのが携帯キャリア各社、インフラ、一部商品です
どこも横並びで値段の差をあまり付けてないですよね
また、そこまでいかなくても、免許や規制というのも似た手法です
そのため業界団体はどうにかして既得権益を作ろうとします
消費者からしたらウザいですし、未参入者から見てもウザいですが、彼らも血みどろの戦いをしたくないでしょうから、気持ちは少し分かります
海外の脅威:途上国の脅威
しかし最近は独占もままなりません
海外勢の存在が、今までのやり方を狂わせました
一番わかり易いのが価格破壊を生む海外の安い製品ですが
日本の家電メーカーもそれに対抗して、価格競争の際は積極的に海外の安い労働力を使い、自らの首を少しずつ締めていきました
途上国の人たちは日本に売ったほうが儲かるため、積極的に新規参入します
もちろん狙われるのは参入障壁の低い業界や、価格競争に陥った業界、既に方法論が確立された業界です
ちなみに、家電市場はまだ衰退期とは言えないくらいの伸びしろがあるらしいです
それに給料はまだそこまで低くありません
単純に、新規参入が多く競争が激化したためピークよりは低く割に合わないだけですよね
重要なのは、総売上/プレイヤー数です
よくパイの奪い合いって言いますよね
どれだけ儲かろうが、分け合う人数が多ければ意味がありません
ところで、日本は実はまだいい方で
移民が入ってくるともっと燦々たる有様になるのではないでしょうか
(そこら辺はあまり調べてないですけど)
特に元々低賃金な業界で更に厳しいことになるのではないかと思います
海外の脅威:コモディティ化のグローバル化
もう一つ海外で脅威なのが、コモディティ化のグローバル化だと思います
例えば日本では高単価を維持している商売だったとしても
海外で既にコモディティ化されていて、その市場が合流してしまった時、国内の業界が食われてしまいます
コモディティ化された海外市場は技術力なども優れていることが多いので、国内市場は太刀打ちができなくなってしまいます
業界団体が頑張って市場の成長を止めておいたら、いつの間にかやってきた黒船に負けるという構図で、ちょいちょい見ますよね
(余談)ITはオフショア開発、失敗してよかったね
ITで言うと、オフショア開発で海外の安い労働力を使おうとしましたが
アレは正直危なかったのではないでしょうか
たまたま難しく上手くいかなかったのと、途上国の単価がどんどん上がったのと、人がWebやスマホに流れたので主流にはなりませんでしたが
ヘタすると家電業界と同じ道だったと思います
非正規の脅威
その仕事が本当に「誰でもできる」くらいまでマニュアル化されると
非正規労働者に仕事がバトンタッチされます
ここで問題なのはパートや学生バイトの存在です
彼らは諸事情であまり稼げなかったり(扶養控除の壁)、そもそも大金を稼がなくても良いという状況にあることが多く「低賃金でも働く」という存在です
そこまでいくと一気に価格破壊が加速しますよね
そして積極的に人件費を価格破壊させた企業が勝ってしまいます
例:コンビニ、飲食店、ライター業務、工場
ITイノベーションの脅威
(Wikipediaでいうところのモジュール化、規格や仕様の存在する製品群・市場)
ITはプラットフォームを作ることができます
プラットフォームでは、例えどんだけ単価が下がろうが、皆から少しずつお金を集めるので成り立ちます
しかしプラットフォームを作ると
比較しやすくすくなる+標準化が進む+新規参入しやすくなる
↓
過当競争を産む
↓
コモディティ化が促進される
↓
価格競争に陥る
という流れを産んでしまいます
最近の分かりやすい例がクラウドソーシングサービスです
素人、留学生、学生、主婦などが新規参入してきて、単価がどんどん下がっていき、売る側は誰も得しない状況が生まれています
そして暴落し切ると、品質が落ちていき、買う側も得をしなくなっていきます
コモディティ化の行き着く先
あまりに儲からなくなると、人が全員出ていき産業が空洞化します
テレビで「昭和の頃には一つの産業だったけど今はこの職人ただ一人」みたいな産業をみかけますよね
ああいうイメージです
(農業、林業、製紙、一部の工場、炭鉱夫、ほかたくさん)
ここまで行くと消費者まで実害が出てきます
本当は必要なのに儲からないから誰もやらないという状況が出てきます
そこまでいかずとも、儲からないから全体の品質が落ちるという状況もありますよね
本当は金を倍払ってでも良いサービスを受けたいのに、安かろう悪かろうしかない状況
コモディティ化に私達はどう立ち向かえばいいのか?
私は学生時代に2chで激論(失笑)を繰り広げていて、レッドオーシャンみたいな概念を知りました(コモディティ化を知ったのはもっと後です)
その時、じゃあ技術者はどうすればいいの?と思いました
だって、家電メーカーが就活生の花形になってから、家電メーカーしんどい!になるまで20年も無かったですよね??
頑張ってモノを開発して発展させたら、いつの間にか参加者が増えて儲からなくなるって、悲しいですよね
もちろん景気や戦略の影響もあるんですが
今の時代の流れはそれほどまでに高速なんだと思います
そういう時代から、更にインターネットの時代になりました
ということは、新卒の時に花形だった職業は10年持つかも怪しい
定年まで35年くらいだとしたら、そんなの想像できない!
大企業が安定してるだって?ふざけるな!
と就活の時に思った私は、転職人生と、自分の中にスキルをタメていく作戦で生きていくのを決意しました
転職が当たり前の世の中がいいのでは?(予想)
昔なら「これで一生食っていける」みたいな職業が、今は長くても20年しか持たない
という前提に立つと、ある程度の雇用の流動性を保って
平均勤続年数5〜10年くらいで推移すればいいのではないかと考えています
※あくまで労働者目線のみですが
そういう状況では試行錯誤終盤の新しい業界に行くことになりますが、そういう業界はどの会社が勝っていくかも未知数なので、余計に転職は必須になってきます
そして、実際そうなるのではないかと考えていました
鶏が先か卵が先かですが
もし転職率が増えて雇用の再配置が起きれば、新しい業界のコモディティ化は加速します。そうするとまた皆が苦しくなって転職率が増え・・・
という流れが2010年代から日本でも起こると予想していたのです
※これは悪いことではなく、プロダクトライフサイクルの、売上のライン(A)にワンテンポ遅れて労働者が移動するのではなく、利益のライン(B)に合わせて労働者が移動することで不要な過当競争を生まなくできると思っています
しかしこの予想は外れていました
雇用の流動性は変わっていない
今になって調べてみると、雇用の流動性は昔と大差ないことがわかりました
驚くことに、IT業界でも同じです
ーーー以下資料 詳細な解説は省きますーーー
■学歴別卒業後3年以内離職率の推移
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/dl/24-02.pdf
■入職率と離職率の推移
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/15-2/dl/gaikyou.pdf
■年齢階級別の入職と離職
※数年前のものと比較してみましたが大差ありませんでした
今の若い世代が離職しやすいわけではありません
■新規大学卒業者の産業分類別卒業3年後の離職率の推移
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/dl/24-19.pdf
ーーー資料ここまでーーー
理由は分かりませんが、まだバンバン転職するのは少数派なようです
(期待値としては人生に2回前後? おそらくIT業界で言えばSIerが少なくWeb系が多いんだと思います)
このことから分かるのは、現在であっても昔と変わらず
- 学生時代~アラサーまでで業界や領域を絞らなければならない
- コモディティ化しても雇用の再配置は起きない
- 転職に対する受け入れ体制は昔と変わらない
であるということです
3つの選択肢 守るか、攻めるか、生き残るか
そうなると選択肢は3つしかないと思います
個人的に1は非常に難しいと思います
まず、安定職は今とても人気です、安易になれません
そして、例え今安定していても、今後どうなるか全く未知数だと思います
TPP、公務員減らし、家電、郵政、電力自由化
こういったものを見てると、参入障壁によって守られてる職業もいつまで安泰かなんて分からないですよね
守られてる業界は、一旦その壁がなくなると非常に脆い印象で、人材としても他で通用しづらくなりがちなのではないかと思います
※例外としては、1をメインの仕事にしつつ副業で稼ぐ方法もありますが
2は私の方針ですが、成長フェーズの産業を専門にするというものです
例えば現在のアプリ業界なんかは最初からグローバルだし情報共有も早いですが、まだ伸びてます
こういう業界は他業界を食うことはあっても食われるのには時間が掛かるでしょう
※むしろ進化しすぎて自滅するほうが先ですね(技術革新で仕事に価値がなくなる)
これは作戦として難しいように見えますが、単純に「人手不足の新しい業界」に突撃するだけで良いと思ってます。「これから来る業界」ではないですよ?それは導入期なので儲かりません
3はこれまで通りです
競争しても勝てるだけの実力と気概があるならいっそどこでも良い気がします
競争に燃える人とかも居ますしね
ただここで一つ注意したいのは、参入障壁がマイナスな業界の存在です
例えば「師匠に弟子入りさせてもらい、月3万円で働かせてもらっている」とか「1年目は教えて頂くので、金を払っている」くらいに皆がなりたい憧れの職業は、相当厳しい戦いになります(アニメーター、デザイナー、漫画家、美容師、建築士などなど)
ちなみに見極めポイントとしてはまず「小学生でも知ってる職業かどうか」だと思います
いつか終りが来るという気構え、Π型人間+α
業界レベルでいつか終りが来るという認識は非常に重要だと思っています
(もちろんIT業界の方はそう思ってるでしょうけど)
その時に重要なのがどう他の領域にスイッチングするかですが
よくΠ型人間になれという話があります
これは業界知識のベースは抑え、更に2領域に専門知識を持つと強いよ!という話ですが、この片方が他業界でも通用するモノであるとなお良いと思っています
そしてそういったものは大抵外枠の知識(ゼネラル的な知識)であるケースが多いです
マネジメント、業界構造、モノ作りのフロー、効率化、財務、経営、法務、デザイン、マーケetc
スペシャル一領域+ゼネラル一領域のΠ型人間になれれば、何も怖くないのではないかと思っています
次に繋がる領域を選択する
例えばwebの知識は、十二分にアプリに応用できます
設計の考え方やデザインの考え方、開発フローなどなど
業界に変革が起きても、結局似た仕事だと思える領域を発見できるといいですよね
ただそのためには複数の業界の共通項を探さなければならないため
大分情報をかき集めなければなりません
その点で言えばIT業界は複数の業界と接点があるのでやりやすいです
「え、あなたの業界もそういう感じなんですね」というトークを積極的にできればヒントが見つかるのではないでしょうか
その変化の時には、大胆に転職してしまっても良いのではと思います
一番ホットな組織に近づいていかないと、結局「〜もやってます」止まりの中途半端な知識しかつかないリスクも有ります
ただし、会社の規模を大胆に変えるのはオススメしません
大企業と中小企業では、全体のスコープに格差がありタスクの種類がだいぶ変わってきます
プラットフォーマーの責任
ところで、ITは対業界サービスを作ることができます(雑誌、営業なんかでも作れますが)
そのおかげで最近は、いたずらにいろんな業界に破壊的イノベーションをもたらし、誰も望んでないコモディティ化を加速しているケースが目立ちます
逆にコモディティ化を上手くコントロールできるようにサービス設計・事業設計ができれば、業界にとっても消費者にとってもよいサービスができるのではないかと思います
そういう点では非常に責任の大きい作業ですよね
そして破壊的イノベーションだ!とか言ってドヤ顔で価格破壊ばかりしていると、類似サービスが出てきてサービス自体がレッドオーシャンと化してしまうことでしょう
まとめ
まとまらない!
ここらへんは複雑過ぎて話がとっ散らかりますね
業界軸、時間軸、その中の労働者、経営者、消費者、業界をいじれるIT、組織の規模、海外
と考えなければいけないことが多すぎるんです!
ちなみに、そういう業界のライフサイクル設計をITの側から上手くコントロール出来ないかと最近考えています
要は価格競争に陥らせずに、価値だけを比較できる状態があり、そのプラットフォームをコントローラーを業界全体の利害関係者に握らせればいいと思います
そのプラットフォーム内で不満を抱えてる人たちが居るなら、まだチャンスは有ります(キュレーションで言えばメディア側とか)
もちろん全員が納得してしまっていたら、どうしようもないんですが
まだ実験中なので上手くいったら報告します
次回は「議論とは何か」についてダラダラ書きたいです