マグロは止まると死ぬ
そう言われている
「ひょっとしたら止まっても死なないのかもしれない」
マグロはそう思っても、敢えて止まってみることはしない
怖いから
私も全力を出していないと死ぬ
そんな気がしている
死ぬというのは喩えだけど
いろんなことに絶望したり、二度と立ち上がる気力がなくなるのではないかと思ってる
「もっと休むべき」「ワークライフバランスを」「効率重視で」「生産性が」
そんな声が世の中から聞こえてくる
気を抜くと、それらを信じたくなる
そんな、いろんなことにスマートに取り組めるような人が大勢いることを知っている
学生時代から、きちんと勉強し、きちんと部活もし、身形も交友も恋も就職も
真面目にというよりは、うまくこなしている人たちを知っている
それですごく成功している人が、正論をはいているのも知っている
でもそんな正攻法が、自分がひどく苦手なのも知っている
自分がどれだけ劣っているのか知っている
中学校の時、担任の先生に「もっと自分を追い込んだほうが良い」と言われたことが今でも印象に残っている
世の中から聞こえる甘言は、本当に正しいのだろうか
「休んだほうが成果が上がる」は「食べたほうが痩せる」みたいな話に聞こえる
そもそも彼らは成功者なのだろうか
成功者だったとして、その正攻法は自分もできるのだろうか
「ひょっとしたら、止まっても死なないのかもしれない」
私はそう思っても、敢えて止まってみることはしない
怖いから
そうして死ぬまで泳ぎ続けて、たぶんこう思うのだろう
「止まったほうが幸せだった」