IT業界で気づいたことをこっそり書くブログ

くすぶってるアプリエンジニアが、日々気づいたことを適当に綴っていきます(受託→ベンチャー→フリー→大企業→ベンチャー→法人化(今年))

ITスタートアップ/ベンチャー企業に就職したい人向け!調達から会社の状況を推測する

一般的に就職するときには、その会社を不変のものと捉えることが多いのではないかと思います。
特に大企業であれば、入った時と10年後でそこまで大きな変化は無いのかもしれません。
しかしスタートアップやベンチャーは非常に早いスピードで変化が生じます。わずか1,2年で別物になり取り組む課題や組織が変わっていきます。
なのでそこに就職したり参画する場合は「今どういう状態か」「近い将来どうなっていくか」を予測する必要があります。会社の成功に賭けるようなものです。

とは言え、外から見てるだけで会社がどうなるかなんてわからなさそうですよね。
そこで重要になるのが資金調達です。
上場や会社売却を考えているようなスタートアップ・ベンチャー企業は似た課題にぶつかり、似たように資金調達をして乗り越えていきます。裏を返せば資金調達から会社の状況がある程度推測できるわけです。

 

基本の知識

ざっくり書きます。詳しくは別途調べてもらったほうが良いと思います。

 

出資と融資の違い

融資は銀行などからお金を借りることです。返す必要があります。
出資は株式の一部を売ることでお金を得ます。もちろん返す必要はありません。
上場すると基本的に株価が何倍にも膨れ上がるので、出資者はそれを狙います。
(なので出資者は当然上場を迫ってきます)

 

投資ラウンド

出資を受ける前 シードラウンド
1回目の出資 シリーズA
2回目の出資 シリーズB
3回目の出資 シリーズC

 

なぜ出資を数回に分けるのか?というと、会社資産=全株式の総額のうち、どのくらいの株を放出できるかという問題があるからです。上場していないくても徐々に株価の評価額は上がります。徐々に調達しなければなりません(そうしないと大半の株を他社に取られてしまいます)
また、会社の成長は突然起きるわけではないので、いきなり大金を受け取っても使いきれなかったりします。

 

出資の金額と目的

もちろんこれは会社や事業次第なんですが、ITサービス運営の場合はかなり似てきます。

 

シードラウンド
貯金・身内に借金・エンジェル投資家など
100万〜1000万円くらい とりあえず事業開始するところまで

 

シリーズA
1000万円〜3000万円が多く、ほとんどは人件費に費やす
ただ広告費が必要な場合は数億円になることもある

 

シリーズB
5000万円〜15億円くらいが多く、人材獲得と事業拡大に費やす

 

シリーズC・シリーズD
2億円〜数十億円くらいが多く、事業の多角化に費やすことが多い

 

調達は良い兆候?悪い兆候?

当然事業をしているわけですから、そこですこぶる儲かっていたら調達する必要性ってあまりないんですよね。
例えばシリーズAだけ調達して数年沈黙っていうところ結構あります。
3000万円でそんな何年も会社が持つわけないので、事業でちゃんと儲けているということでしょう。

じゃあシリーズBの会社はまずいのかと言えばそうでもなく、好調な事業を更に大きくするために調達して加速する会社はたくさんあります。個人的にはシリーズBはやって当たり前なのかなーと思えるくらいにどこもやってるイメージあります。

ではシリーズC・Dはどうなの?というと、少し事情が変わってきます。
シリーズBの後に上場するケースがよくあるので、上場せずにシリーズC・Dとなると、何か理由がありそうです。
これが戦略的な理由であればいいですが、単純に上手く行ってない場合は調達おかわりということなので、注意が必要でしょう。
(上場せずにひたすらデカくなる会社もありますから、そこらへんは何故上場しないのか分析する必要があると思います)

ここらへんは一個人が知れる情報なんてたかが知れてるんですが、資金調達のプレスリリースで出ている調達理由がどれほど納得できるものなのかで判断すると良いと思います。

 

各フェーズでの会社の状況

シードラウンド

とにかく金が無い短期決戦の状態です。基本的に近づくメリットは薄いんですが、やろうとしていることに共感できるとか、0→1を体験したいなら良いと思います。
ここらへんは要件定義力・コミュ力がかなり問われるので注意しましょう。
私も複数案件で経験があります。どんな感じなのか聞きたければ直接聞いてください。

 

シリーズA

このフェーズもあまり資金に余裕がありませんが、従業員人数も5人〜20人程度とそれなりの規模になってくるためちゃんと組織だってきます。
個人的には一番おもしろいフェーズだと思いますが、まだまだ安定とは程遠いためカオスとの戦いになります。
シリーズBまでに明確に売上を立てて行く必要があり、上手く行かない場合は辛いことになるでしょう。人の入れ替わりも激しいです。

 

シリーズB

ベンチャーを狙うならシリーズB直後が一番良いでしょう。キャッシュにある程度余裕があり、このまま上場まで突っ走るべく準備するフェーズです。従業員数は15人〜40人程度でしょうか。徐々に中小企業じみてきます。
優秀な人もバンバン入ってくると思います。色んな業界業種から入ってくるので面白みもあると思います。事業も世間的に認知され、面白い時期です。
ただここで停滞する会社も多いです。
あと、前任者がやっつけで書いたコードを修正するはめになることが多いです。

 

シリーズC・D・上場直後

優秀な人達が寄ってたかってもがくフェーズだと思います。事業設計が複雑になってきて、より普通の企業に近づいていきます。
ベンチャーとしてのプライオリティはさほどありません。
コードも複雑になっていることでしょう。
ただし安定はしています。10年後も会社は存続しているはずです。

 

その会社のフェーズを知るには?

調達情報はプレスリリースが出るため、「会社名 調達」でニュース検索すればすぐ出てきます。
これで現在どのフェーズかがわかります。