ベンチャーの経営状態を探って入社リスクを減らす
いちから株式会社、御社大丈夫?その2です。
前
私は直感で「お、大丈夫か??」と思ったんですが、その直感が数字的に合ってるのかどうか、ちょっと調べました。
参考情報
資金調達時の会社の評価額と、従業員数を見比べてみる
決してこれだけで全部わかるわけでは無いんですが。
ベンチャー企業の多くにとって、重荷となるのはやはり人件費です。
評価額はおおよそ粗利額や利益額に相関するはずですから、そこと人件費(従業員数)を調べると傾向は出るはず・・・だと思います(私はプロじゃないので断言できませんが)
するとこうなるんです。
「あっ」ってなりませんか?いや分からないですけどね。
従業員数が多くても大丈夫な会社
数字を見て「あれ?」と怪しいんだら、もう一段深く見ていくべきです。
ひょっとしたら自分が勘違いしているだけで大丈夫なのかもしれませんし。
たとえば、評価額100億円(粗利予想10億円)の会社が、人件費250万円のアルバイトを400人雇っている。などであれば別に問題はないですよね。
接客業とか、人が大量に必要な事業というものもあります。
- 従業員がいるほど売上が立つタイプの事業なのか
- 従業員1人あたりの給料
- アルバイトか、正社員か、その他か
あたりは押さえておきたいです。
ベンチャー企業の情報は曖昧なので注意
とは言っても大抵の場合、ベンチャー企業の情報は曖昧です。
毎月のように情報が書き換わり、誰も真相を把握できていないとか、情報が更新されていないとか、敢えて会社を大きく見せかけているとか色々あります。
例えばいちから株式会社と同様に外れ値だった株式会社ウェルモですが、調べたところ2019年6月時点で社員数98人となっています。別のところには130人と書いていて、元従業員のレビューでは「100名を超える」と書いています。
(この会社はパートも募集しているので、おそらくパートの人数を含んでいるのではないかと思います)
評価額:従業員数は問題ないと思ったけど、入ってみたら全然数字が違っていたとか、面接で聞いた情報すら正しくなかったとか、そういうのもあります。
ここらへんはもうしょうがないですね。
ちなみに、いちから株式会社は「社員数が131人で、従業員数が160人で、ライバーが80人程度」とちゃんと書いてるので、どちみち外れ値です。
あとこれも当然ですが、未調達企業や、調達後時間が経っている会社は読めません。
従業員の増加リスク
おまけですが、従業員が一気に増えるリスクというのも実はあります。
正しく言えば従業員が増えることではなく、組織が変わるリスクです。会社の組織を一気に変えて動かそうとするというのは、喩えるならプログラムで設計を変更して動かそうとする行為に似ています。
安定するまでに時間がかかるのです。
組織のデザインパターンが確立されている業種ならこの問題は小さいです。
飲食店なら、調理人が何人居て、接客が何人居て、管理者が何人居て・・・と大体経験値が溜まっているので一気に経験者を入れてもなんとかなります。
開発もそうですよね。
Webサービスとモバイルアプリを作ろうとしたら、バックエンドエンジニア、フロントエンジニア、モバイルアプリエンジニア、デザイナー、PM・ディレクター、テスター、と大体どういう職能が必要かわかると思います。
ベンチャー企業というのは、そういう組織のデザインパターンが無いパターンが多いです。新しいことをやるので、どういう人材が必要かが定義できていなく、雇われた従業員もわかっていないので、大きな混乱が生まれます。
- 混乱
- 議論
- 組織のリファクタリングや最適化
あたりが目まぐるしく発生します。従業員数が一気に倍くらいになるとそれは半年以上続くことが見込まれるので、非常に上手く行ってる会社でも規模拡大は少しずつ行うケースが多いと思います。
もちろん非常に老獪な経営者とか、天才的な経営者がこれを上手く回避し、とんでもない規模の会社に成長することもあります。世界的な企業はそういうのが多いですね。
しかし大抵の場合は上手く行かないですし、特に日本では組織のリファクタで正社員を切れないので、難易度は果てしないものとなるでしょう。
まとめ
というわけで、外に出ている数字から会社の内情をエスパーする方法でした。
まあそれでも外れますし、正常な成長をしている会社ほど入りにくいですし、従業員に対しても給料を抑えてくるので、最適な答えが何かは難しいですけど。
とりあえず臭いを感じ取れるだけでだいぶリスクは減らせるのではないでしょうか。
もしくはフリーランスになればいいです。
ちなみに私は株や経営については不得意なので、こういう臭いを嗅ぎ取るスキルはもっと上手い人がたくさんいると思います。そう言う人のテクニックとか聞いてみたいですが、あまり見かけないですね。