IT業界で気づいたことをこっそり書くブログ

くすぶってるアプリエンジニアが、日々気づいたことを適当に綴っていきます(受託→ベンチャー→フリー→大企業→ベンチャー→起業)

(サービス観察)フードシェアリングはどこまで行けるか

news.careerconnection.jp

 

勝手に観察します。

 

月額約2000円

ユーザー数1万人 月2000万円 年2.4億円
ユーザー数10万人 月2億円 年24億円  ← 大成功ライン?
ユーザー数100万人 月20億円 年240億円

店舗の数を考えて、都市圏じゃないと成立しないと考えると
対象者5000万人、足腰の弱い老人や子供を除けば4000万人?
平均世帯人数2.5人だから、1500万世帯くらい
シェア1%で15万世帯、シェア10%で150万世帯
だから、理論値ではどうにかなりそうです。

 

サービス

飲食店のアウトレットサービスです
アウトレットと考えると需要はありそうですね
アウトレットサービスなので、別の側面として

  • ただの安売りになる
  • 試食サービス

が出てきそうです
むしろそこら辺を上手く焚き付けないとキツイ気がします

 

欠点、難点

  • 地理要因(コンセプト的に、通販はなさそう)
  • 食品に限定している(コンセプト的に拡張が厳しそう)

 

 コスト

営業コストが結構掛かりそうです
ユーザー個々の生活圏に一定密度で対応店がないといけません
放置しているだけでそれが担保できるとは思えないです
これ、ドミナント戦略でどうにかなるんでしょうか?? 

あと、当たり前ですが、店にお金を払わなければなりません。
2000円のうち幾らが店の取り分となるんでしょうか?

 

ビジネスモデル

ユーザー側が月額課金なら、店側も料金じゃないのだと思います
となれば、1人1回で◯円というような支払われ方がするのではないでしょうか
店への支払いが月1000円/人だと仮定すると

全員が毎月60回フルでつかったとなれば、1回16円です

月60回 → 16円/人・回
月30回 → 33円/人・回
月15回 → 66円/人・回
月10回 → 100円/人・回

これで投げ売っていい程度の分量の食料が配布されると考えられます。

また、配布コストも考えてみましょう。
フロートしては恐らく

余り物あります、と登録する → ユーザーが予約する → 指定時間に受け取りに来る

だと思いますが、受け取りの際にアプリで本人認証が必要となるはずです
つまり

ユ「すいませーん。◯◯受け取りに来ました」
店「はい。アプリを表示してください」
 ピッ
店「どうぞ」
ユ「ありがとうございます」

この流れに
1分かかる → 人件費16円(時給1000円)
2分かかる → 人件費33円

ポイントとしては、ユーザーは一度にまとめてきてくれないと言うところだと思います。

ここまで厳密に考える人が居るか分かりませんが
しかしそれが10回なら10分〜20分。100回なら100分〜200分となってくるので、構造的に赤字なら継続するメリットが薄れると予想します。

1回あたりが
月10回 → 100円/人・回

程度だといいですよね。
ぶっちゃけサブスクリプションは、登録したまま使わない人をどれだけ抱えるか勝負みたいなところあります。
しかし、こういうバイキング系のサービスだと、ユーザーは元を取ろうとするのではないでしょうか? 月10回で済むとは思えません。

月15回 → 66円/人・回
1分かかる → 人件費16円

ここらへんだとすると、配布できる妥当なラインは50円くらいとなるのですが、すると今度は50円のためにユーザーが毎日出かけるのか、という話にもなってきますね。
ユーザーが安くても出かけるラインが収束ラインになってくると思いますが、するとドケチしか得をしない状態になってきそうです。

 

というような負のスパイラルが起こりそうなので、先程言ったアウトレットの別の側面を強化していく必要が出てきそうですが、うまくいくでしょうか? 少し頑張りが必要そうです。

 

その他アイディア

実現可能性はさておき

ある同じ場所で毎日開催できれば余裕でワークしそうですよね

保健所に目をつけられそうですが

業界向けサービスを作る時に欲しい人材

私はエンジニア(技術者)なのですが
エンジニア目線だと、どれだけアンテナを張っていても、業界のことを深く知り、問題の本質を明らかにするのに5年〜10年必要になってくると思います

ですが新規サービスを作る時に、5年10年かけていられません。
その時点でエンジニアでもなんでもなくなっちゃいますし。

そこでできる方策としては

  • 業界向けサービスに受託として関わり続ける
  • 業界を深く知る人を仲間にする

だと思いますが、後者について。

前こういうの書いたんですが

 

otihateten.hatenablog.com

 

業界向けで縛った場合、どういう人が居たらすごく良いかを考えた結果、その業界の技術者上がりの営業という結論に至りました。
そこで働く人たちの気持ちが理解できていて、しかも業界内の動向や、綺麗事ではない実際の所をよく知っています。

 
例えば

  • 美容師上がりのマネージャー、営業
  • 料理人上がりのマネージャー、営業
  • ライター上がりの編集長

 

今一緒にやってる方が、ちょうど技術者上がりのマネージャー兼営業の方なので、何気に人運あったのかもとか、そんなこと考えていました。
(ん? てことは、相方はやっぱり市場価値すごいのかも)

 

っていうかむしろ、私サイドが足りていません😢

本当は、エンジニアとプロダクトマネージャーは分かれていても良い気がします。
エンジニア上がりのプロダクトマネージャーがベストでしょうか(そうなる自身がありません)

 

大学院に行くべきか、就職するべきか

友人の弟に訊かれました
情報科の大学生らしいです

私はこう答えておきました

Action whatToDo() {
	if (どうしてもやりたい研究がある) {
		if (金ある) {
			return 進学;
		}
	}
	if (学歴ロンダ狙う) {
		if (金ある) {
			return 進学;
		}
	}

	// 就活時期が、院試時期より前である前提

	result = do就活();
	if (result == とても納得できた) {
		return 就職;
	}
	if (result == 納得できないがとりあえず内定貰った) {
		return 一旦就職して、ダメなら1,2年後院行く;
	}
	if (result == ダメだった) {
		return 進学して、新卒カードおかわり;
	}
    
	return とりあえずニート;
}

以上です。

IT業界と退職金の話

browncapuchin.hatenablog.com

 

そういえば、IT業界の人って退職金のことどう思ってるんだろう。
と思ったのはもう3年以上前。
当時20代後半でしたが、周りを見渡しても、退職金の有無を気にしてる人はほとんどいませんでした。

IT業界では多くの会社で退職金が出ません
業界が若いですから、しょうがないですね。
きちんとした統計はありませんが、こんな記事がありました。もらえた人は4割

next.rikunabi.com

年齢は22歳から39歳まで。職種はシステム開発(Web・オープン系)が28%、社内情報システム・MISが16.5%、運用・監視・テクニカルサポート・保守が11.5%などIT系の割合が多い。 

 

 Web系や中小IT企業、ベンチャーに絞るともっともっと少ないんじゃないでしょうか?

でも世間全般で見れば、"まだ"もらってる人の方が多いと思います。 IT業界は特殊であると自覚しないといけません。

 

例えば35年で2000万円貰う人と比べる場合
2000万円/35年=57万円/年 違ってきます
しかもこの57万円、ほとんど税金がかかりません
退職金控除というのが、35年で2000万円近く発生します。
手取り57万円と考えると、額面は70万円くらいでしょうか。
退職金制度が無い会社は、退職金制度がある会社に比べ、70万円程度マイナスして考える必要が出てきます。

もちろん2000万円は大分もらってる人です。
現実ラインで35年1000万円だとしても、額面35万円くらいです。
(1000万円は、数百人の中堅企業レベル)
彼らを基準に考えるなら、大体月2.5万円、余分に貯金が必要です。きつい。

 

例えば、こういう求人があったとしたら
・他業界A社 退職金制度有り 年収450万円
・IT業界B社 退職金制度無し 年収500万円

両者には大差が無いってことですね。こわい!

 

大切なのは、退職金無しを認識すること

じゃあ「IT業界にも退職金を!」でいいのかと言われれば微妙です。
ドッグ・イヤーな業界なので、自分が定年になる時に今の会社がまだあるかどうかわかりません。それに定年まで今の会社に居ろと言われたら悩む人多いんじゃないでしょうか。
(私なんて1年勤続するかも怪しいですw)

そもそも退職金制度自体が縮小傾向らしいです。時代の流れを考えれば、いずれ無くて当たり前になるかもしれません。

冷静に、退職金制度が自分の会社になく、世の中の一般常識ではまだある前提で話がされる、ということを認識するのは重要だと思います。
若干切ないですが。

 

「御社は退職金制度有りますか?」が聞けない

ところで、就職の際に退職金制度の有無をちゃんと聞いてる人居るんでしょうか。
私は聞いたことありません。「辞める時お金出ますか?」とかすごく聞きづらいです。そして、面接官も報酬の話はしてくれますが、退職金の話は滅多にしてくれない印象があります(100社くらい受けましたが、1割も無かったような。転職サイトにも書いてないし)

 

まあ今はもうフリーランスなので「たいしょくきんなにそれおいしいの?」ですけどね。
会社立てたら退職金出す側ですしね。
ひえー><

 

関係ないですけど

フリーランスのデメリットに「残業代がもらえない」「退職金がない」とか書かれていると「え、元々無いけど?」って言いたくなります。IT業界は正社員のメリットが薄いですね。。。

不動産テックにご用心

fudousan-kyokasho.com

 

はてブで見かけました。

 

転職やら何やらで、いろんな業界のベンチャーを見て回っていますが、不動産テックはその中でも難しい方です。安易に飛びつく前に少しだけ考えましょう。と言う話です。

ところで、不動産テックってすごく領域として曖昧ですよね。
カオスマップで挙げられてるのは不動産業以外もいっぱい入っています。
建設業界、建築業界、住宅業界、不動産業界、それぞれ別物ですが、一緒くたになってる気がします。(Airbnbって何業界? 宿泊?)

一旦それらを丸ごと不動産テックと言ってしまうとしまして。
不動産テックの難易度は、フィンテックと同レベルか、少し難しい方だと思います。

 

↑高難度

医療業界
製薬業界 行政
不動産テック O2O 冠婚葬祭
フィンテック
クラウドソーシング 人材 Eコマース コンテンツ
ゲーム ファッション フード 広告
メディア キュレーション
ツール
↓低難度

勝手なイメージです。(何か忘れてる気がする)


難しくなる要因はいくつかあります。

・単価が高い
・法律が絡んでいる
年功序列
・楽しさが薄い
・リテンションが無い

 

単価が高いのは一見良さそうに見えますが、単価が高いとコンバージョンのため人間が直接介在し始めます営業とかコンサルです。すると、システムだけで解決するのが難しくなります。
最大限複雑な系である「人間」と、最大限シンプルである「システム」の戦いになりますが、既に業界全体に人間という歯車が埋め込まれているので、人間を無視することができません。
人間を巻き込むのもなかなか難しいです。システム開発する際に、システムにおけるアクターの種類が多いとそれだけ複雑度が増します(例えば、購入者・出品者・仲介者・紹介者・管理者・・・と増えていくほどにシステムは果てしなく難しくなる)
おまけに全員にとってwin-winの形をつくらなければならなくなり難度が上がります。

法律が絡むと難しくなるのは分かりやすいと思います。専門知識が必要なばかりか、専門家を雇う必要が出てきて難度が上がります。

そして年功序列。専門家が年配者だったり、ユーザーが年配者であるほど新しい仕組みが受け入れられるのに時間がかかります。医療業界が最たる例で、医者も患者も中年〜年寄りが多いため、非常にイノベーションを起こすのは難しいです。

楽しさが薄いと、グロースエンジンを作りづらくなります。友人にサービスをシェアするキッカケがないと、どうしても爆発的普及が見込めません。

リテンションがないのも問題です。サービス体験が、例えば5年に1回とか、人生で1回なんかだとリテンションがないも同然。そうなるとサービス改善に意識が向かず、広告売ったもん勝ちになってしまいます(つまり大企業が勝つ)

 

と見た時、不動産テックはやはり難しい方です。

もちろん、難しかったからこそ次のターゲットであることは間違いありませんが、フィンテック同様難航するのは目に見えています。あまりキラキラを求めていくと痛い目を見るでしょう。

 

でも難易度の高い作業はそれだけ作業量が多いということなので、受託案件にするにはとても向いていると思います。ひたすらマジメに取り組めば規模は出てくるはずですから。

 

ちなみに、これだけ言ってなんですが私も不動産テックを狙っています。
難しいからこそ、まだレッドオーシャンになっていない領域があります(あ、でも不動産業はレッドだと思います。建築・建設・住宅その他はまだ何とか・・)

ただ、話を聞いてるとやはり業界は大変そうだし、IT業界よりも闇が深いし、若くない業界だし、関係者がいろいろ絡まっていて、一筋縄ではいかない感じがしています。
ここを攻めるならそれなりの覚悟が必要でしょう。

IT客先常駐(準委任、SES、特定派遣)のメリットなど

axia.co.jp

 

なんかすごい記事がありました。
どこからどう突っ込もう。。

 


記事ではSES会社の見分け方と書いていますが
会社のやってる事業を「勤務場所が「東京23区」となっている」とかのふんわりした傾向から見分ける必要あるんでしょうか?
事業内容が分からない求人なら受けるべきではありません。それは業種、業界に依らないでしょう。
ってところがとても気になりました。

SES事業が憎いなら、それはそれで理解できます。問題のあるSES事業者は多くあります。
でもそれならそう書けばよいわけで「見分け方」で揶揄する必要はないのではないでしょうか。

依頼者が居る事業、客先常駐する事業、客先

IT企業をざっくり分けると

  • 派遣する会社(特定派遣、準委任≒SES)
  • 請負開発会社
  • 自社サービス
  • SIの元請
  • SIのN次請け
  • コンサル業
  • 個人事業主
  • その他

こんな感じですが、このうち依頼者が居るのは自社サービス以外全部です。
客先常駐するのは「派遣する会社」「個人事業主」あたりでしょうか。
客先になりえるのは、「請負開発会社」「自社サービス」「SIの元請」「SIのN次請け」「コンサル業」と、あと他業種のクライアントです。

何が言いたいかというと、客先常駐をまるごと全否定するの大丈夫? って話です。

 客先常駐型の会社のメリット

(デメリットはググればいくらでも出るので割愛)

運次第ですが

  • 多種多様なプロジェクトに参加できる
  • 技術力がひたすら求められる
  • 新しい技術に触れられる機会が他より多い
  • スキル向上に対して会社が前向き
  • 自分より遥かにレベルの高い会社の社員と絡める
  • 会社によっては意外と給与も良い

レベルアップには良い土壌です。
運が悪いと逆もありえますが、それは他の会社でも同じです。
転職なしに現場がガラッと変わる分、リスク分散はできるのではないでしょうか。

もちろん派遣先が常に固定で、その派遣先が腐ってるともうどうしようもないですが
もはやその会社とか、その業界の問題なので客先常駐の問題ではないでしょう。

キャリアパスに組み込む

世間での人気は
SI元請け > 自社サービス > 請負自社開発 > 派遣会社

だと思いますが、若手のうちの成長度で言えば
派遣会社 ≒ 請負自社開発 > 自社サービス > SI元請け

だと思っています。
そういう意味で、派遣会社でスキルを上げてから他へ転職するというのは戦略として有りだと思います。
IT業界において、転職組のほうが妙に技術力が高かったりするのですが、こう言う事情があると思います。

フリーランスも客先常駐

準委任で契約する場合、フリーランスも客先常駐です。
ITの場合は自宅でやる請負契約よりそちらの方が多いと思います。
理由は仕事が安定するからです。

開発というのは予想外なことが色々起きます。
なので成果物単位で報酬が発生するより、時間単位で報酬が発生するほうが何かと都合が良いのです。
準委任契約が盛んではないフリーランス業界(例えばデザイナー)は非常に大変そうに見えます。

ITフリーランスは色んなブログでちやほやしてるのに、客先常駐はボロクソに言われているケースを良く見ますが
あれって結局客先がクソなだけじゃないですかね

客先常駐がボロクソに言われる理由

日本のIT企業においては、この業態が一番多いです。なのでもちろん人数も多いです。
人数が多いと批判の声も非常に大きくなります。
声がでかいというやつです。

彼らに言いたいのですが、あまり観測範囲の経験則だけで全否定するのは良くないのではないでしょうか。

だって、自社開発も自社サービスも十分クソですよ?

はてブとかSlideShareに上がってくる記事は半分ファンタジーみたいなものなので理想郷の存在を信じちゃダメです。

価値検証前に資金調達するリスク

ちょっと考えていること

世間様の調達ニュースを見ると「あれ、それ価値検証終わってる?」みたいなケースよく見かけます。確かに調達したほうが価値検証もスムーズに進むでしょうが、それ本当に良いんでしょうか?

仕事を実行する時、行動指針として2つのパターンが有ります。

A.必ずある結果を得なければならない。そのためにどうにか上手くやる
B.もし上手く行き結果を得られるならばそれを実行する。ダメならやめる

Aは結論有りきです。大概の仕事がこちらに含まれます。Bはもし上手くできそうならやり、ダメならやめるか、他の方法を模索します。

よく言われる価値検証というのはBです。Bではダメだったらピボットするか辞めなければなりません。
そこで調達していたら、会社を潰すかお金を返すかです。

でも「ダメなら諦めます」なんて出資者に言えるんでしょうか?(言えてる場合もあると思いますが)もし言えていないなら、出資者は当然Aとして求めてくるでしょう。

 

最初に立てた仮説が上手く行けば結局どちらでも同じですが、Aの場合は上手くいかなかった場合でも、辞めるに辞められないケースが出るでしょう。そうすると自ずとゴリ押しの施策を打つことになりますが、それではどこかでスケールの限界が来たり、関係者を不幸にするでしょう。

ですから最初の価値検証フェーズというのは、自分でどうにかなる程度のリスクに抑える方が適切なはずです。例えば身内から資金調達したり、自分の貯金を使うシリーズAなんかがここに含まれます。
自分でどうにかできる範囲であればあるほど、大胆なPivotはしやすいはずです。(調達することのメリットも存在しますが)
もちろん出資者とそこがきちんと握れているなら問題はないです。そうじゃないと価値検証フェーズが大規模な場合はどうしようもないですしね。

 

じゃあ価値検証フェーズが終わるのってどこらへん? と考えると、個人的にはリリースから相当先だと考えています。試行錯誤がある程度落ち着いて、このくらい投資したらこのくらいスケールすると大体わかる辺り。実行すれば何がどうなるか見通しがつく辺り。
なんですが、本当にそこまでいってる? という会社がバンバン調達していて、自分が間違っているんだろうかと不安になります。