IT業界で気づいたことをこっそり書くブログ

くすぶってる系アプリエンジニアが、日々気づいたことを適当に綴っていきます(受託→ベンチャー→フリー→大企業→ベンチャー→起業(仮))

ベンチャーの人材確保の難しさ、分析と戦略

ベンチャーを立てるとき、最初に来るのは多くの場合はネタ(アイディア)だと思います、このネタの段階で難易度が分かります

 

簡単に言えばこうです。

  • そのネタは実現可能か、実現が難しくはないか
  • そのネタはレッドオーシャンではないか(参入障壁はあるか)
  • そのネタに出資したい人がいるかどうか
  • そのネタはユーザーにとってイメージしやすいかどうか
  • そのネタを共に実現したいスタッフがいるかどうか
  •  →そのネタに共感できるか、そのネタはイメージできるか

今回書くのはこの、「実現したいスタッフがいるかどうか」です。

 

よく見るとわかりますが、これは少しトレードオフになっています。
イメージしづらい隠れたネタ → 参入障壁が存在するのでうまくいくように思えますが、スタッフの確保に手こずります。
対してイメージしやすい華やかなネタ → スタッフ確保が容易ですが、参入障壁が薄くレッドオーシャンになりがちです。

 

ベンチャー人材確保の難しさを噛み砕く

人が特にベンチャーに参画するために考えなければならないことがいくつかありますが、結局の所、美味しいか否かです。

  • 儲かるか
  • 成長できるか
  • 面白そうか、やりがいはあるか

 

これらを更に噛み砕くと

 

  • 会社が儲かったとして自分は儲かるのか
  • 何ヶ月、何年続けられるか
  • 長期キャリアとしてプラスになるのか
  •  →長期キャリアを自分が描けるかどうか
  •   もしくはその会社に腰を据えるのか
  • 新しい知識・技術・経験を身に着けられるか
  • 他ではできない経験ができるか
  • 今の仕事を辞めるだけの価値はあるか
  • やりたいことはできるか
  • その事業を実現するべきかどうか

 

「儲かるか」はよく勘違いされがちですが、満たせないことの方が多いです。
一部のノッてるグロース期のベンチャーは除いて、多くのベンチャー特にアーリーな会社のスタッフは大して儲かりません。
会社の売上が上がろうが利益率が上がろうが上場しようがテレビで放送されようが給料は現実的な範囲に収まります。成功報酬ではないのです。(※経営者を除く、しかし経営者もさほど儲からない)
ストックオプションなんていうのもほとんど宝くじですし、ボーナスとして捉えると殆どの場合は微々たるものです。大企業に勤めてる方の方がよっぽど美味しいし安定します。
「その事業が成功するかどうか」はこの際関係ありません。単位時間あたりにどれだけ高額の報酬を出せるかという話であって、他の企業と戦うのは非常に大変です。

「成長できるか」も勘違いされがちですが、満たせないことの方が多いです。
すごい技術を持った人は大企業や中小企業に居ます。ベンチャーにはさほどいません。
アーリーで入った場合はむしろ自分だけがその分野の専門家です。指導者に近くなるため、受け取るというよりは与える立場です。これまでの経験値を消費することのほうが多いです。(もちろんそれ自体を成長と言える方も居ますが)

 

結局のところ、最後に残るのが「面白そうか」「やりがいがあるか」「その事業を実現するべきか」です。
事業の価値は実はユーザーの前に、スタッフ候補によって評価さるわけです(投資家にも評価されますが)
それで話は実現したいスタッフがいるかどうかに戻ります。

 

ネタ選定の段階で気をつける

世の中の事業化可能なタスクのうち、共感を得られるものなんて極一部です。
簡単に共感されるものの方が人や金が集まるので実現には近いです。


まだネタで迷っているなら「誰でもイメージできる課題だが自分しか解決できない」ものがベストです。次点で「誰でもイメージできる課題」で、「誰にもイメージできないが自分しか解決できない課題」は苦労することを覚悟しなければなりません。

(話は逸れますが「誰もが課題に思ってるけど実現できていないこと」には必ず実現できていない理由があるはずなので、実はこちらも注意が必要です)

 

居ないものは居ない、じゃあどうするか

 

自分が取り組みたい課題が、たまたま他の人にとってイメージしづらいものということはよくあることです。
その場合、一緒にやりたいスタッフは簡単に見つかりません。でもどうにかしなければなりません。そこで各社いろんな工夫をしています。
思いつく限り考えてみます。

本当は居るかもしれない

いきなり前提をぶち壊しますが、必要な人材の中に共感してくれるスタッフが居ないだけかもしれません。それなら共感してくれるスタッフに技術を身に着けてもらえば良いわけです。
とは言えかなりハードな作業ですし立ち上がりも遅く、かつその人も前の会社をやめる必要があります。
事業難度に専門的な知識が少なくていいなら有りかもしれません。

 

高い給料

可能ならこれが一番手っ取り早いです。しかし「高い給料だからやってる」という温度感の低い人が入ってきてしまうデメリットもあります。そういう人は早々に消え去ります。

 

福利厚生、働きやすさ

もはや「スタッフはCEOにとってお客様」くらいのテンションでやってる会社も多いと思います。前の会社で嫌な思いをした人がこういう会社に集まりやすいので、性格が難しい人が集まる覚悟は必要です。

 

動くものを作る、価値を理解してもらう

言葉では共感してもらえなくても、実際にサービスを使ってもらったり、ユーザーと話をしてもらうことで価値を理解してもらえるパターンもあります。
スタッフに対するアクティベーションですねもはや。
スタッフに対してもAARRRモデルみたいなのが存在しそうです。

 

フリーランスを使う、外注する

金さえ積めばある程度のことをやってくれる人を一旦使い、一旦価値の見えやすい状態まで進めてしまう手があります。社員よりは圧倒的に見つけやすいですし切るのも簡単なので積極的に利用していきたいです。
社員を入れる前の練習と思っても良いかもしれません。

 

手伝ってもらう

入社なしに可動してもらうのも同様に旨いと思います。
意外と有名なベンチャーも、超初期メンバーは全然違ったりしますよね。

 

ベンチャー界隈の人を誘う

ベンチャー界隈の人は特殊で、転職に特に抵抗がありません。キャリアの一環としか思っていないので、やりがいが薄くてもノッてくれます。ただ代わりに彼らは選定眼が鋭いので注意です。あと人それぞれ美学や行動原理があるので、それを理解しないと難しいかもしれません。

上場までスルッと行く会社はここらへんの人を使ってるイメージが強いです。
大企業出身、ベンチャー3社目みたいな人材。

 

口説き落とす

特に若手に対して、人間的に仲良くなって俺色に染める。みたいなのをよく見かけます。
色気のある社長はこれで上手くやってるイメージです。
(ただイメージとしてこういうタイプは中ヒットで終わる気がします。何ででしょう?)

 

芋づる式

狙ってできるわけではないですが、人脈おばけを一人ゲットできると美味しいですね。コントロールが難しいかもしれませんが。

 

おわりに

ファイアリングって面倒くさいよね!(ぶん投げ)