IT業界で気づいたことをこっそり書くブログ

くすぶってるアプリエンジニアが、日々気づいたことを適当に綴っていきます(受託→ベンチャー→フリー→大企業→ベンチャー→起業)

(定期)ネイティブアプリ開発は職業として大丈夫か?(2019)

定期で上がる話なので、ザックリ簡潔に

 

↓先行ネタ

jp.techcrunch.com

 

blog.nkzn.info

 

2年前↓

otihateten.hatenablog.com

 

 

私の仕事

100%iOSネイティブ開発をずっとやってます。
こんだけ100%1個の技術で突っ走るとは思っていませんでした。
でもそのお蔭で仕事は取りやすいです。

 

最近はフリーランス化して、常時複数案件を持っています。
平均月250時間くらいアプリ作ってます。

 

仕事の量、体感では変わっていない

3年くらい変わっていません。
モバイルアプリに関して言えばネイティブの案件が一番多く
次点でRxSwiftとか、ハイブリッドのような、デフォルトより少しずれた案件が多いです。
ざっくり言えば、デフォiOS:デフォAndroid:その他諸々=10:10:6くらいですかね??

iOSAndroidを合わせてしまえば20:6みたいな感じ

 

それ以外はちょっと得意ではないですが、Webもゲームも多いですよね。機械学習は流石にまだ少なめです。

 

React Nativeが倍増した!

素晴らしいことだと思います。

blog.appfigures.com

 

 

In the last year use of React Native has nearly doubled, going from being installed in just about 15K apps at the beginning of 2018 to being installed in over 27K apps right now. As impressive as that is however, React still some catching up to do before it can compete with heavy hitters like Cordova and Unity, each installed in more than 100K apps. We’ll continue to track and report on its adoption.

 

1.5万→2.7万になりました。
2018年時点でApp Storeのアプリ数は約160万、Androidアプリ数は約320万なので、シェアは、少しです。
私はアーリーアダプターではないのでキャズムを超えるまで見守りたいと思います。

(上記、CordovaやUnityは10万レベルで存在すると書いていますね。それでもまだキャズムは超えていないのか)

 

なぜアプリの仕事は減ってないのか

AppStoreのアプリ数は、色々あって横ばいか減少傾向らしいです。
では何で仕事が減っていないかと言えば、アプリが未だビジネスにとって重要な存在だからです。

スマホ普及率はまだ天井にすら達していません。

参考

www.garbagenews.net


そしてアプリ開発にかかる費用は、数百万DLの人気アプリでも年間5000万〜1億円とか、そこらへんです。上手く行ってるアプリは年間数十億円は売り上げていますし、正直もっと掛けたい企業はあるのかもしれません。しかし特にアプリは大勢人を投入しても上手くいくわけではないのでその程度に収まっています。本当はもっと人を投入したい、でもできない。今はそういう状況です。

(※色々工夫して二桁人数を1個のアプリに投入してるプロジェクトも稀にあります。ですが粗利10億でもiOS,Androidそれぞれ2人くらいの体制という方が一般的だと思います)

 

また、アプリ自体の仕事が減らないのは、Webの仕事が減らないのと同じです。新規事業を立ち上げる際に必要になるので、そのサービスがうまくいくかいかないか以前に、チャレンジャーと出資者とスマホ普及がある限り一定量の仕事はなくなりません。

 

ネイティブはハイブリッドアプリに置き換わらないのか

ハイブリッドも、ある程度は流行ってると思います。
ただ、サービスが成功したらアプリは育てなければなりません。
ネイティブは、より高コストで、よりアプリの力を最大限まで出します。
より稼ぐサービスにとって、必要なのはコスト感よりもアプリの力を最大限出すことです。
長く人を雇う、継続性のあるサービスは、当たり前ですがより稼いでいるサービスです(あるいは金が余ってる)

 

より稼ぐ案件 = より雇う案件 = ネイティブを使う

と言う図式がなりたってしまいます。すると工数の比較をするとネイティブが大きくなってしまうわけです(実際に調べたわけじゃないので机上のお話ですが)

 

また、「その言語に精通した人がどれだけ居るか」にも影響します。
素晴らしい手法でも、精通した人が居ないと効果を発揮しません。労働市場の中でその人材を調達できるかという話が事業にとって重要になってきます。
開発言語・手法というのはネットワークが効果が存在するんですよね。
すると技術選定の時にネイティブ以外を選びにくいという現象が起きています。ネイティブ以外のパイもそれなりに大きいですが、1個1個はそれほど大きくないし、それに特化した人は現状少ないです。

 

ハイブリッドアプリが力を発揮するシーン

新規立ち上げ案件です。
ですが、それはつまり「金も時間もないから1人でやってね」案件であって、全体の工数規模感としては小さくなります。
逆を言えば、自分が新規サービスを立ち上げする時には非常にメリットがあります

(ここらへんの話はフルスタックの罠でもあるんですよね。フルスタックになったところで単純労働としては大して稼げないっていう)

 

有名な企業がReactNativeなどを使っている理由

別にコストを意識しているわけではなく、ネイティブでやるより更に良くする方法を模索しているのだと思います。
高尚なお話なので、外野が安易に真似して再現できるかは疑問です。

人によるでしょうけど、私は盛り上がってきたらつまみ食いしたりするくらいです。

(特に有名所になってくるとマルチプラットフォームに対するモチベーションが高いので大変なんですよね。ここらへんは一般的な企業とはまた違った感覚です)

 

ある日突然ネイティブが無くなるか?

なくなりません。
少しずつ消えます。

消え始めてから考えていいと思います。

 

突然消えるためには、Appleが破産するとか、ある日突然インターネットが死ぬとか、ある日突然皆がスマホを窓から捨てなければなりません。
あるとすればそれは恐らく戦争ですね。
平和第一。

 

本当に気をつけなければならないこと

技術の変遷というのは「どれがより完璧か」という話だけでは中々動きません。社会的なコンセンサスによって変遷しますし、社会的コンセンサスが動くには、それなりの時間がかかります。

より気をつけなければならないのは

  • リーマンショックのような恐慌
  • 過度な最適化による窒息死
  • 予測に基づいた過度な先取りによる窒息死(イノベーターになる)
  • 世の中のメインストリームの動向(アーリーマジョリティー動向)
  • 参入過多によるコモディティ化(レイトマジョリティーの動向)
  • 自分の健康

あたりじゃないですかね?

あとは自分が何をやりたいかです。

メモ

ハイブリッドアプリに結構フォーカスしすぎましたが、PWAやWebがアプリに取って代わるのではないか的なお話は以下の記事で巻き取ってるので、今回は無視しました。

 

otihateten.hatenablog.com

 

おまけ:これからネイティブをやるのはどうか?

新人がネイティブアプリを選定するメリットがどれだけあるか。
これは正直良くわかりませんが、まだ3〜5年は大丈夫だと思います。

携帯電話の普及率の推移と、スマホの普及率の推移を見るに、あと4年くらいで一旦天井が来るのではないかと予想してます。