この記事、結構良かったんですが
今時分のやっているサービスとは文脈がちょっと違うなぁという部分がありました。
スタートアップを一般化し語られる場合に、ある程度条件が丸められている気がします。
気づいた部分で言えばこんな感じです。
- 繰り返し利用を前提にされている
- スモールチームでもMVPを達成できる
- 設備投資などが不要
- 「見込み客/全ての人」の値が高く、「知人に薦める」という文脈が持てる
- 熱狂できるタイプのサービスである(ポジティブな感情がある、言い方を変えれば「解決型ではない」)
- 100億円以上の企業価値に成長できる規模感である
まだありそうですが、要は皆が想像するアメリカのイケイケベンチャーという感じです。
条件が絞られていることの問題点
いくつか問題があります。
まず、この条件にピッタリ合うテーマというものは数に限りがあり、かつ人気です。既にレッドオーシャンになっている可能性が非常に高く、勝てるのは本当に逸材かつ運も必要です。
多くのテーマは、この条件とどこかしらがずれています。物によって8割合っていたり、5割合っていたりなど。
そしてぞの「ズレ」の部分において、スタートアップ理論が使えなかったり間違いだったりすることがあります。これが怖いなと思いました。
私もこういう記事をよく読むので、教科書的な基準として「こうするべき」というのを持っています。それで既にある程度成功しているベンチャーに大して「こうなっていない」と批判的になることがあるのですが、訪問して社長に話を聞いてみると、大抵はその社長のほうが正しいことを言ってるのです。
つまり、各々の事情の方が正しかったり、そもそもスタートアップ理論が適用できないことが多いと思います。
選択肢は2つ、スタートアップ理論に適合したテーマを選択するか、適合する部分だけ参考にして残りは自分で解明するか。
ですが、上記の記事にもあるように、やはりやりたいことをやった方が良いと思います。ならば結局後者になるのではないでしょうか。
じゃあ結局スタートアップ理論とは誰のためにあるものなのか、という話になってしまいます。単に意識高い系のものになるか、VCのためのものになるのか。
意外とスタートアップ理論よりも、そのテーマの過去の業界のナレッジにヒントが落ちていたりもします。
まあ記事のも書いていたとおり、全てを見聞きし、批判やアドバイスを素直に受け入れた後で、全てを正しく取捨選択していくしか無いのでしょうね。