IT業界で気づいたことをこっそり書くブログ

くすぶってるアプリエンジニアが、日々気づいたことを適当に綴っていきます(受託→ベンチャー→フリー→大企業→ベンチャー→起業)

ITのデザイナーがなぜゴミレベルに使えないか

めちゃくちゃ喧嘩売るようなタイトルにしたが

私は優秀なデザイナーさんを何人も知っている

 

ありとあらゆる開発タスクをこなす私も、デザインだけはセンスがなくてできないので無くてはならない存在だ

 

だが

 

デザイナーがITの企画・要件定義層に入ってくるとぶっ壊れる

 

最初、そういう人に会った時、「何だこいつは」と思ってすごく憎らしく思ったが

複数人そういうのを発見して、ようやく「ゴミになる」法則性が見えてきた

 

理由1.システムに落とし込めない

当たり前だが、システムがわからない。

なのでER図も書けないし、API設計も書けない、そして何故かエンジニアにも聞かない(システムというものをCSSのような何かだと思っているのかもしれない。この点は文系SEの方が全然マシだ)

すると、プロジェクトがおかしなことになる

不整脈が起きたように、進行が止まり、やがて死ぬ

 

理由2.価値判断が違う

デザインの評価というものを考えてみると、「多くの人に評価される」という所が大きい。

デザインの仕事をお客さんと決めるとき、恐らく「3案くらい出して1案を選んでもらう」みたいな作業をするのではないだろうか

対してシステムの評価はまず「ビルドでき、要件漏れがなく、バグもない状態で完動すること」で、イイネと言われるかどうかは二の次だ。

だからシステムサイドの人間の動きは、似ているようで全く違う。まず「1案、あるいは1案+福案」を出し、利点欠点、コストを述べる。そして他の画面との関係も説明し、「まあ多分こうなりますが、これでいいですか?」という、論理考察のすり合わせを行う

そして、「それだとコストがかかりすぎ」とか、「もっとこうしたい」を聞いてから、スケジューリングやコスト計算をして、間に合わなければ要素ごとに取捨選択していく

このフローがどうやらできないらしい

 

理由3.デザイン仕様を画面設計図の上位互換版だと勘違いしている

エンジニアはあくまで画面設計図を元に動作の部分を作りこんでから

最後にデザインをいれこむのが当たり前だ

しかし画面設計図を書かない(書けない。必要とも思わない)ので、画面設計図はない

そうすると機能や動作の抜け漏れがバンバン発生するが

デザイナーだからそこはあまり気にならなく、むしろ細部のフォントや色が気になってしょうがないらしい

どうなるかはといえば、プロジェクトが死ぬ

 

 

じゃあ企画の方はできるのかといえば、企画もできないと思っていい

企画というのは要は理詰めとモデル化だが、この理詰めとモデル化が問われる仕事はエンジニアやコンサルタントくらいで、その中でもきちんとできるのは少数派だ

デザイナーはこのモデル化スキルがなくても優秀になれるので、そのスキルを持っている確率は相当下がるだろうと思う

 

 

ちなみに、「そもそもデザイナーがそんな上流に入ってくるわけ無いじゃん」と思われるかもしれないが、最近その傾向があるらしい

理由はいくつかあるだろうが

  • UX(という曖昧な何か)が重要になってきたため、取っ掛かりができた
  • デザイナーが危機感を覚え、単価を上げようとしている

もちろんそれを解決するためにチャレンジする事はよいことかもしれない

 

ただ、プロジェクト関係者はこのことを重々承知しておいたほうがいい

どう転ぼうがデザイナーはシステム設計はできないということだけでも覚えておくべきだと思う

 

追記:構造的に問題になっているのは、デザイナーの優秀さの延長線上に、システム・企画の優秀さは存在し得ないこと。UIデザイナーの次にUXデザイナーというのはおかしいということだ。デザインは非常に優秀だから要件定義に入れよう、とすると壊れる。