成果主義を謳う会社が多いが
どこが違うかといえば、能力主義は期待値に対して報酬がほぼ決定されることだ
「この人は次の半期にコレだけ成果をあげるだろう。だから◯万円」
というように決定され、実際にそれは間違いなく執行される
ボーナスで大きな差を付けている会社は成果主義を実行できているかもしれない
しかしそういう会社は少ないし
この成果とスキルの矛盾はいくつか問題がある
- 最も問題になるのが「量」に対する無頓着さだ
替えがきく人材である限り、どれだけ頑張ろうが報酬は変わらない
逆に言うと、賢い従業員は頑張らずにスキルをのばそうとする
それって良いことじゃない?と思うかもしれないが、
良いことかどうかは産業に依るだろう
特に労働集約型産業との相性が悪い
労働集約型産業というものは、すなわち「大量の人でいっぱい頑張らないと仕事にならない」もので、量に依存する。
いくらスーパーマンを1人雇ったところで巨大システムは完成しないのだ。
それなのに、労働集約型産業は「会社の不安定さを人件費の調整で吸収する性質がある」ため、量に対して成果が求められるのではなく「この人が人並みにやったらどのくらいできるか」で割り出す。
前も言ったとおり、労働集約型産業では人手不足が慢性化する。
結果、最低いくらで見積もられ、最大の稼働をすることが多くなる。
- もう一つ問題になるのが、品質主義だ
スキルとはなんだろうか? それは多くの人にとって「品質(クオリティ)」なのだ。
品質(正確さ)は見えにくいのでそもそもスキルと見なされることが少ない。
速いというのはスキルと見なされることもあるが、言い換えれば結局量であり、替えが利く人材とみなされる。
コストを安く抑えられる人材は貴重だが、労働集約型産業ではコスト=自分の給与であることが多い(PMを除いて)
結果「能力主義」の会社がどこに向かうかといえば、品質お化け会社になる。
社員がそれに耐えられれば会社は伸びるだろうが、大抵は競争力を失うだろう。