IT業界で気づいたことをこっそり書くブログ

くすぶってるアプリエンジニアが、日々気づいたことを適当に綴っていきます(受託→ベンチャー→フリー→大企業→ベンチャー→起業)

デザイナー業のキャリアプランをエンジニアが考えてみる

私の本業はエンジニアであってデザイン業は本職ではありません。
たぶん間違っている部分も多いですしググればもっといい情報が出てきそうですが、キャリアプランについて語られている記事が少ないと感じたので、我流で書いてみます。

 

 

対象者

キャリアプランについて取っ掛かりが無いと感じている人。
本や学校に行ってみたが何か騙されてる感じがする人。
不安な人。

 

あまりにも広大な「デザイナー業」

おそらく「エンジニア」以上に職種が細分化されているのではないでしょうか?

デザイナー職種一覧を見つけました。

職種一覧・企業傾向│グラフィックデザイナーなどの派遣ならユウクリ

これ以外にもある気がしますけど。

 

まずどの職種になりたいかを決めたほうが話が早い

最近は、仕事で必要な知識というものが膨大です。
むしろ1人が抱えられる知識の限界が職種を分けていると言っても良いかもしれません。
なので本や学校で勉強してからどの職種を選ぶか決めようとすると、ちょっと効率が悪いと思います。職種に必要な知識だけ最短で一気に学ぶ方がおすすめです。

 

名前のないオンリーワンな職種を目指すのはダメ?

デザイナー・クリエイターはこういう存在に憧れると思います。
ただ、こういう存在にいきなりなろうとするのは2つの理由でオススメしません。

 

1.替えがきかないポジションを企業は用意したがらない

例えばその人が居なくなった時、会社は事業存続のために代わりを見つけないといけません。その時Webデザイナーであれば「Webデザイナー募集」と求人が出せます。
しかし名前がついていないオンリーワンな存在は募集がしづらいため、普通に考えれば採用したがらないでしょう。リスクになってしまいます。

 

2.営業やコネが必要になる

もちろん継続性のない、単発の仕事であればオンリーワンな存在でも良いかもしれませんが、上で言ったように求人募集があまりないでしょうから、仕事を取ってくるために営業やコネクションが必要になってしまいます。最初のまだ実績の乏しい段階で営業をするのはとても大変です。
今ならSNSに制作物をアップして人気が出れば宣伝になるかもしれませんが、そんな簡単にできるもんじゃないですよね。よっぽど才能がある人は別ですし、目指す分には良いと思いますが、それ一本でやるのは博打です。

 

ただ、これらは見方を変えれば、既に職を持ってる状態で、社内や業界内で替えの効かないオンリーワンな存在になるのはむしろ有りだと思います。

 

職種の選び方

既になりたい職種があるなら良いですが、迷ってるなら自分ならこう選ぶというものを紹介します。
(これだけで1記事になりそうなくらい長いです)

 

使うツール・使うセンス・使う知識

例えば趣味でずっとPhotoshopを触っているとかなら、それが活用できるものがまず候補に上がりますよね。

とは言え最近は色んな新しいツールがバンバン出てくるので、今専門の人が何を使ってるのか分からなかったりするんですが。

 

職種の存在をまず知る

漫画を知らない人が漫画家になろうと思うわけはないですよね。その仕事の存在を知らなければなりません。
一つは世の中のプロダクトの出どころから制作会社を割り出して、その制作会社の求人を見るという方法があります。
よりオススメなのは求人サイトをひたすら見まくることです。どういう職がどういう条件で募集されているのか分かりやすいです。どのくらいのボリュームで募集されているのかもわかります。

 

仕事の範囲を調べる

◯◯をする仕事だと思ってたら、予想以上に範囲が広かったということがあると思います。例えば私の身近にいるWebデザイナーなんかは、Webデザイン・スマホ版のWebデザイン・SNSに投稿するコンテンツのデザイン・キャンペーンのデザイン・アプリのデザインなど多岐に及ぶ仕事があって非常に大変そうにみえます。

これを知るのもやはり求人サイトが便利です。職種の名前で検索したらいっぱい出てくるはずです。ただ、求人サイトは往々にしてあれもこれもやって欲しい!みたいな書き方をするので、全部できないとダメということは少ないのではないかと思います。

 

大人気職を避ける

皆がやりたがる仕事は大抵の場合ブラックであることが多いです。
大体2パターンで

  • 皆がその職種をイメージしやすく、学校もたくさんある
  • 目立ってる成功者が居て、皆が憧れる

前者はひたすらブラック、後者は頑張れば成功できるけど格差が激しいブラック。
ただこれだけでは見極めが難しいと思います。

 

成長産業・衰退産業

単純に成長産業に付随する職種は伸びますし、衰退していたら地獄です。
ちなみにこれは「今どうか」で判断していいと思います。
よく本やメディアに「10年後衰退する!」みたいな記事がありますが、あまりあてになりません。去年・今年・来年くらいで見ていいです。

 

クライアントが判断する職種・ユーザーが判断する職種・それ以外が判断する職種

世の中色んな職業がありますが、最終的に誰がそれ仕事の価値を決めるのかという点で分けられます。

例えばエンジニアは「それ以外」です。偉いのはシステム様で、我々はシステム様の下僕です。クライアントがそれにNOを言ったところで不可能です。
デザイナーはおそらく、

  1. どれだけ素晴らしくてもクライアントがNOと言えばNOになるもの
  2. ユーザーの人気度が数字で出てしまうタイプのもの
  3. システムの制約が強いタイプのもの

があると思います。

1はダメ出しを食らってストレスが貯まりそうですが、クライアントの要望を上手く汲み取ることができそうなら有りだと思います。世間がNOでもクライアントがYESならYESなので、賛否両論な尖ったこともできます。

2は数字の下僕です。非常に納得感がある一方で、弱肉強食で疲弊する可能性もあります。実力が数字で出てしまうのは人によって良し悪しです。最適な答えを見つけるのが得意な人にはあっているかもしれません。

3はとにかく勉強量が多いのと、エンジニアなど他の職種の人と協調していく必要があります。システムはすんなり理解できるものでもなく、常に刷新されていくので大変ではありますが、センスよりもちゃんとこなすことが求められがちなので、努力が無駄にならないのが良いと思います。

 

ちなみにWebデザイナーの中でも会社によって1、2、3色んなケースがあるので、他の職種でも一概にこの職種が何番!と言えないかもしれません。少し注意です。
むしろ会社選びの際にこれが出てくるかもですね。

 

受託企業が複数存在するか

その職種で、業務を委託されて仕事をしている会社があると好都合です。
なぜならそのくらい業界内に仕事が存在するということですし、受託企業は何かと使える存在だからです。

 

自分ができそうか

最近AIブームで機械学習エンジニアになりたい勢が大量に発生しましたが、企業が求めていたのは主に大学院で博士課程をとったくらいの専門家でした。
と言ったように、その職種の難易度というのはどこにも書いていないという罠があります。頭がよくない小学生が「パイロットになりたい!」というのは良いですけど、年取ってからそれをやるのはきついですよね。
ここらへんはその職種の人のブログやSNSをひたすら見ていくくらいしか無い気がします。

 

いっそ質問してしまうのも有り

Q&Aサイトでも、SNSでもいいです。
ただインフルエンサーみたいな有名人は耳障りの良いこと言うかもしれないので注意してください。
知り合いのつてという手もありますが、同じ職種の人がいる可能性はかなり低いと思います。
あと穴場なのは会社の面談です(面接前に会社説明してくれるやつ)
「御社で働きたくて今はこういうスキルを持っているが、不足部分や懸念点はありますか」とでも聞けば優しい会社なら教えてくれると思います。特に中小で人が欲しい会社が良いです。彼らは人手が欲しいわけなので、あまり邪険にはしないのではないかと思います。

どうやって勉強するか、プランが存在するか

良さそうな学校があるとか、Webサイトがあるとか、身近に教えてくれる人が居るとか、本があるとか、何でも良いので取っ掛かりは必要になります。
ここらへんは運も関わってきますね。
たまたま教えを乞うた相手が実は大した専門家じゃなかったりとか。

 

 

おすすめのキャリアプラン

個人的にですが、どの職種でもこのパスが安定すると思っています。

 

1 なりたい職種を決める(〜半年)

       ↓

2 勉強しつつ、ポートフォリオを作れる状態まで頑張る(半年〜2年)
  ※就職時に公開してもいいもの

       ↓

3 仕事が豊富にある場所で数をこなす(例:受託企業)(1〜3年)

       ↓

4 自社でオリジナルの事業を持っている会社などに転職

  または、受託企業内でステップアップ

  または、十分に自信がついたら独立も有り

 

もしくは、別の仕事を既にしていて、その中でデザイン力を発揮するケースもあるでしょう。
これは1〜2の状態だと思ってもらえればいいと思います。もちろんその会社でずっとやっていけるならいいですが、放り出された時に生き残れるようにポートフォリオを作れる状態にしておいたり、外部の別の仕事をやってみたりすると良いと思います。

 

なぜ受託企業?

受託企業は非常に勉強するのにうってつけです。

複数の様々な案件があるので試行錯誤ができますし、同僚からスキルを盗んだり共有したり、教育してくれることもあるので勉強にうってつけです。
またデザイン以外の、顧客やチームでどう仕事をするかというワークフローの勉強にもなります。

直接事業会社に行っても良いのですが、事業会社のワークフローは大体カスタマイズされているので、終身雇用でもなければほかへ行った時に大変になります。
受託企業はだいたいのワークフローを効率化しているし、色んな人材を受け入れたいために業界標準の働き方になっていることが多いです。
ただし、大抵の場合ブラック企業(低賃金&長時間労働なので、そこをゴールと置かないようにしていいともいます。もちろんホワイトで頑張ってる受託企業もいくつかありますが、当然入社は難しくなります。そう言う会社は別の受託企業から転職する人が多いです。

 

数年勉強したあと、より稼ぐには?

いい会社に入るか、チームをまとめるか、ビジネスに近づくほど稼げるようになると思います。
もしくはフリーランスとして独立ですが、これは業務を効率よくさばくのがメインの目的になると思います。これはよっぽど有名なデザイナーでもなければ単価が一定以上増えないからです。相場が存在してしまっています。

 

ビジネスにどう絡んでいくかも、結構難しいです。
最近ではUXデザイナーという、UIよりもビジネスに少し寄った職種も登場して給料が上がっているらしいですが、どうなんでしょうね?新しい職種というのはきちんと職種として定着できないことがあります。

www.fashionsnap.com

 

狙い目は新しい職種、だけど注意も必要

例えば最近だと動画系が新しいんでしょうか?
詳しくないですが、以前には無かった職種というのがポツポツ出てくると思います。こういうのは先人があまり居ないので試行錯誤が必要で最初は苦しいですが、自分が先人になるチャンスでもあります。

ただし、あまりにも新しい職種は、メディアが言ってるだけで実は仕事がさほど無いみたいなことがあります。早すぎるパターンです。
たぶん受託企業が何社か立ち上がって成長してきた段階が一番狙い目ですね。動画系は3年前くらいにそう言う状態だったと思います。まだ多分美味しいですね。保証はできませんが。

 

おわりに

IT系に近いデザイナーという職種は、状況がエンジニアに似ているので自分が考えてきたことが応用できると思って書きました。
他の普通の職業だと、もっと「大企業を選んで〜」みたいな話が入ってくると思うのでちょっと違うんですよね。

 

参考になれば幸いです。
あと指摘あればお願いします。