IT業界で気づいたことをこっそり書くブログ

くすぶってる系アプリエンジニアが、日々気づいたことを適当に綴っていきます(受託→ベンチャー→フリー→大企業→ベンチャー→起業(仮))

Birchbox、こう考えた

同僚とサービス分析の勉強会をやったのですが、個人的に考えた部分をメモ程度にまとめます。
私ならこう考える、みたいなものです。

注意:今回は考察が浅いです(約2時間)

参考資料

Beauty Box Subscription for Women

Birchbox - Wikipedia

『オンライン→実店舗』がNYのマーケティングトレンド : NY で デトックス

 

何の会社?

化粧品の試供品を定期購買してもらうサービス
あとEC

 

数字とか

2009年からスタート
シリーズA 2011年 10億円くらい
シリーズB 2014年 60億円くらい
       2016年 72億円くらい

2015年9月 100万人ユーザー 300人従業員
2016年1月 スタッフ15%削減

 

感想

毎月10ドルで試供品を配布する、5ドルがクーポンになる。
ってそれ送料考えたら売上ゼロなんじゃないでしょうか。どう考えても安すぎます。
ひょっとして調達だけで回したタイプのアメリカ型企業?2016年にガタが来てるのでありえますね。
結構話題になったらしく、類似サービスが日本にも多いですが1500円/月とかでした、やっぱ5ドルは安すぎです。

ドモホルンリンクルを思い出しました。ああいう「試供品を配りたい」という化粧品メーカーを取りまとめたサービスですね。
サービスを考える時に、「似たような戦略を取ってる会社を一本化する」というのは着想としてありだと思います。

化粧品のサブスクリプションという市場は良いなーと思いました。
何よりパイが巨大です。その分プレイヤーも多いのは確かですが。
日本国内の市場規模は調べたら2.5兆円と出てきました。
化粧品に対する月平均購入額は2500円程度。年齡によってさほど増減しないのは意外です。日本においては20代女性も40代女性も自由になるお金が大差ないということかもしれません(未調査)
2500円/月*約3000万人=9000億円/年
アメリカだとざっくりこれの3倍ですかね。

 

ビジネスモデル

試供品だから仕入れが安いだろう理論ですね。なぜか検索すると定期購買との比較が出てきますが、ちょっと違うのでは。
文脈としてはアウトレットに近いと思います。刺さったのもミレニアム世代ということで、お金がない層にウケてますね。

 

アウトレット、試供品ビジネス

そもそも「お試し」というものは、商品の使い始めのハードルを低くする戦略ですね。なので、継続利用してもらわないといけません。
このサービスもハードルを低くするという点で軽商品メーカーからウケると思います。しかし思うように継続利用に流せているサービスは少ないのではないでしょうか。Birchboxの売上高をみると、試供品定期購買分の売上がほとんどのようです。ECサイトはいずこ?

考えるに、アウトレットや試供品というのが安さ文脈に乗っかってしまっているせいかもしれませんね。安さを求める客が定額のものを買うかという話です。(ここらへんは妄想ですが)アウトレットも、アウトレットと銘打って実はアウトレットではない店が多いと聞きました。安さの代名詞になってしまっています。難しいですね。

とは言っても化粧品のような非耐性消費財は、何にせよ買わないといけないのでそこを握れていないのは妙な感じがします。AmazonDashのような文脈で上手いことできないのでしょうか。まだ知らないことがありそうです。

 

理想と現実のギャップ

毎月新作をアップし続けるのもなかなか難しいようです。そして、目新しい商品を出すと既存の方をカニバリますよね。初手からカニバリを内在したサービスは難しそうです。

あとこういったサービスをやると、ユーザーの感想などの情報を化粧品メーカー側に上げたくなりますが、ぶっちゃけそこら辺は化粧品メーカー側で既にやってるんじゃないでしょうか?「確かにそれはすごいね、でももうやってるから要らないよ」だと思います。こういうのあるから怖いです。そういうのはデータの質も問われるので、案外データを売る商売は頓挫します。研究職を舐めちゃいけません。

 

ユーザー数は落ちたものの価値はある

同サービスは2016年に5ドルクーポンをやめ実質値上げになりユーザーが離れたらしいですが、ネガティブなネットワーク効果は別に生まれない構造になっているので、残るユーザーも居るようですね。
100万人のユーザーが例え50万人になっても十分だと思います。

化粧品メーカーからしてみれば数十万人の見込み客へのアプローチ手段ですから無視できないわけで、ユーザーを大量に抱えた時点で勝ちですよね。

 

真似できるか

ただ同サービスを丸ごとパクる場合には注意が必要で、競合が居る前提で数万人のユーザーを作れるかという難しい話になりそうです。

そんなのもう無いでしょ?と思うんですが。
もしくは正々堂々殴り合うしかないですね。そういうのは大企業におまかせしましょう。

 

真似したいか

小売こわい

あと、ECに繋げられないとどうしても「試供品配るだけ」に思えてしまいます。既に世の中にたくさんあります。もちろんシステム化されていないのでシステム化要求は時代の要求としてあるでしょうけど、それだけでやるかと言われればモチベ弱いです。

たぶん、その商品がとにかく好きとか、新作見るのがたまらないとか、そういうワイワイやるのが好きな人はやってて楽しいのではないでしょうか。

よくよく考えたら週刊漫画とかもこの文脈に近いのかもしれません。モノ次第?

 

注目ポイント

おそらく創業者(既に退職)は上記のような現実を早々に理解したのではないかと思いました。それで調達しまくってとにかくユーザーを増やし、チャネルを作ってしまったのではないかと思います。
化粧品メーカー側とユーザー側、どちらのチャネルを作るのが大変かと言えばユーザー側だし、リテンションが物を言うタイプですから。

しかし新たな世代を取りこぼす可能性もあるので、そこは注意が必要な気がします。圧倒的優位なのは確かでしょうけど。

 

また何か気づいたら書きます。