この発表が全て正しいとは到底思えませんが。
たつき監督、ヤオヨロズの制作体制は、IT業界で言うところのアジャイルでした。
ちなみに「アジャイル」というワードは使っていなく、独自で考えた体制らしいのですが。これはガイドブックや、フレンズの会で語られていました。
アジャイル導入の際に起こりがちなこととして
- クオリティを上げるため進捗が見えづらくなる
- 承認フローが重くなるのを嫌う
などがありますが、これはけものフレンズでも起きていたようです。
具体的には、テレ東細田Pが「福Pがのらりくらりして教えてくれない」みたいなことがあります。事前共有にも消極的だったそうです。
つまりヤオヨロズのやり方は、アニメ業界内では画期的なのですが、アジャイルとしてはまだまだ成長途上という印象を受けました(やれるだけすごいんですが)
こういった状況の会社はIT業界内にもたくさんあります。
それが問題になって、契約更新しないとか、ウォーターフォールに戻すみたいな話も聞きます。
ヤオヨロズの場合は、制作体制に自負を持っていた節があるので、ウォーターフォールには相当難色を示すと思います。 ※通常の会社なら、外注先プロマネ的な立ち位置の福Pが、外注先プロダクトマネージャーであるたつき監督をなだめるところですが、福Pがたつき監督に絶大な信頼を置いているので、通常のチームとは少し状況が違うと思います。
しかし、今回の状況はもう数点考えなければならないことが有ります。
- 1期はそれでヒットしている
- ヤオヨロズに技術的優位性がある
- モデリングなどのデータはヤオヨロズが持っている
※最後の項目は予想ですが、「PC内のどっかにある」とか「設定資料はあまりない」のような発言があったので十中八九、納品物には入っていないでしょう。
この3点で明らかなのは、引き継ぎができる会社が無いということです。
引き継げる会社がない状況で、大人気案件の契約を打ち切る。
という状況ですね。ITでも有りますが、極稀レベルです。
これは
- 引き継げると思っている
- 同等でなくて良いと思っている
- 事業自体どうでもよく、プライドや会社の力関係の問題
など色々考えられますが、外側から見ると発注側がコントロールできていないと見えるのではないでしょうか。
問題の一般化
今回の件は続報を待たなくてはいけませんが、少し一般的な視点で考えたいです。
アジャイル外注は、たとえ成功したとしても色んな特徴を持っているようです。
これらは時として外注先に有利に働きます。
であれば、本当に成功したい一部の企業を除き、成功するつもりのない大企業はそもそもアジャイル外注を嫌うという未来しか無いのではないでしょうか。
受託産業の闇、アニメ業界で言えば製作委員会方式の闇。良いものを作り続けられる環境への模索はまだまだ課題が多そうです。
※アニメ産業でも、それが嫌で受託脱却をしているところがあるそうです
ファンの心情
とか、そういう業界の課題はどうでもいいから「たつきを返して」
これがファンの心情だと思います。
業界・仕事のロジックだけ見て、ユーザーやファンを見ないとしっぺ返しを食らうのではないでしょうか。エンドユーザーをよく見ましょう。
ブランドになってる企業なら尚更。
※一応念押しですが、この発表が全て正しいとは到底思えません。
が、発表が全て前提で書いてみました。
※これ、SMAP問題と似てますね