IT業界で気づいたことをこっそり書くブログ

くすぶってるアプリエンジニアが、日々気づいたことを適当に綴っていきます(受託→ベンチャー→フリー→大企業→ベンチャー→起業)

価値検証前に資金調達するリスク

ちょっと考えていること

世間様の調達ニュースを見ると「あれ、それ価値検証終わってる?」みたいなケースよく見かけます。確かに調達したほうが価値検証もスムーズに進むでしょうが、それ本当に良いんでしょうか?

仕事を実行する時、行動指針として2つのパターンが有ります。

A.必ずある結果を得なければならない。そのためにどうにか上手くやる
B.もし上手く行き結果を得られるならばそれを実行する。ダメならやめる

Aは結論有りきです。大概の仕事がこちらに含まれます。Bはもし上手くできそうならやり、ダメならやめるか、他の方法を模索します。

よく言われる価値検証というのはBです。Bではダメだったらピボットするか辞めなければなりません。
そこで調達していたら、会社を潰すかお金を返すかです。

でも「ダメなら諦めます」なんて出資者に言えるんでしょうか?(言えてる場合もあると思いますが)もし言えていないなら、出資者は当然Aとして求めてくるでしょう。

 

最初に立てた仮説が上手く行けば結局どちらでも同じですが、Aの場合は上手くいかなかった場合でも、辞めるに辞められないケースが出るでしょう。そうすると自ずとゴリ押しの施策を打つことになりますが、それではどこかでスケールの限界が来たり、関係者を不幸にするでしょう。

ですから最初の価値検証フェーズというのは、自分でどうにかなる程度のリスクに抑える方が適切なはずです。例えば身内から資金調達したり、自分の貯金を使うシリーズAなんかがここに含まれます。
自分でどうにかできる範囲であればあるほど、大胆なPivotはしやすいはずです。(調達することのメリットも存在しますが)
もちろん出資者とそこがきちんと握れているなら問題はないです。そうじゃないと価値検証フェーズが大規模な場合はどうしようもないですしね。

 

じゃあ価値検証フェーズが終わるのってどこらへん? と考えると、個人的にはリリースから相当先だと考えています。試行錯誤がある程度落ち着いて、このくらい投資したらこのくらいスケールすると大体わかる辺り。実行すれば何がどうなるか見通しがつく辺り。
なんですが、本当にそこまでいってる? という会社がバンバン調達していて、自分が間違っているんだろうかと不安になります。