IT業界で気づいたことをこっそり書くブログ

何とかする系アプリエンジニアが、日々気づいたことを適当に綴っていきます(受託→ベンチャー→フリー→大企業→ベンチャー→起業?)

隣の人間を理解するには? その1 〜上司と部下と、同僚と組織 気づけばみんなゲームをしてた!〜

※今回の発見は多分MBAや要件定義の本などで似たことが勉強できるんだと思います  勉強したいぜ・・・

※長いので、結論を読みたい場合は「で、何がいいの?」からどうぞ

 

人間っていうのは果てしなく難しい生き物だ

これだけ発達した世の中で、未だに人工知能が完成しないほどに難しい

 

そして、集団も難しい

人間が集まってるんだから、そりゃ難しいに決まってる

 

 

みんなゲームをしている

難しいから単純化してみよう

「Aさん」というのを一つの虫か何かだと考えて、空の上から神視点で観察するとどうみえるだろうか?

  1. Aさんにはきっと目的がある
  2. Aさんは目的を達成しようと、行動する
  3. Aさんは行動すると何かが起きるが、それはAさんの周りのルールと状況に依る
  4. Aさんは知ってる情報もあるし知らない情報もある

こんな感じだろう

ここまで考えて、あれ、これってゲームに似てない?と思わないだろうか

同じようなことを考えた人は大勢いて、これは「ゲーム理論」と呼ばれている

ゲーム理論 - Wikipedia

 

例えばAさんがRPGの主人公だとすると

 

Aさんは敵をやっつけようと魔法を使うが、敵はバリアを張っていて魔法は跳ね返ってくる。Aさんはバリアのことを知らなかったのだ

 

 目的=敵をやっつけようと

 行動=魔法を使う

 ルール=バリアが張られていると魔法が跳ね返る

 状況=バリアが張られていた

 情報=バリアを知らなかった

こんな感じだ。

 

超ざっくりシンプルに言えば、誰も彼もみんなゲームをしていると考えると、人間や集団が理解しやすくなる

ただ注意したいのは、みんな別のゲームを複数しているところだ(後述)

 

IT企業で考えてみる

どこでもいっしょだが、個人的に分かりやすいのでIT企業(受託)で考えてみる

 

登場人物

 

ところで、ゲーム理論は目的が単純明確なほど分かりやすくなる

目的が入り口で、全てはその後の副産物なのだ

 

なので彼らはとてもステレオタイプな人間だと思ってほしい

 

彼らの目的は簡単に定義したらこんな感じだ

 

お客:システム作ってほしい!

営業:受注して、絶対にスケジュール通り納品させる!

PM:滞り無く納品する!

SE:言われたものをPGが作れるように設計して、作ってもらう!

PG:SEに言われたとおり作る!

社長:ボロ儲けしたい!!

 

異論は受け付けない

今は単純化しているので、彼らはアリか何かの虫なのだ

ほとんど目的のことしか頭にない

あくまで彼らを神視点で眺めているイメージをして欲しい

 

さて、今残念なことに不慮の事故が発生して、このままでは納品が間に合わないとする

このことを知っているのは最初、PMだけだ

 

これは由々しき問題だ!誰の責任だ!というのは複雑になるので一旦脇に置いておきたい

RPGでいうところの、敵が発生したみたいな状態で

皆バカになって、敵を倒す以外の目的が見えてないのだ

 

ルールと状況、知っている情報を整理すると

  • システムを作るには必ず時間がかかる
  • 時間をかけるとお金がかかる
  • PMは人を増やすこともできる
  • 遅れたと知っているのは最初PMだけ

これだけだ、じゃあ行動はどうなるだろうか

 

パターン1

PMの攻撃「スケジュール遅れます!」

しかし営業に「遅れたらダメです」と言われてしまった

PMの攻撃「人を増やしたいです!」

しかし社長に「予算無いのでダメです」と言われてしまった

PMの攻撃「SEさんなんとかして欲しいです!」

しかしSEに「前言っていたことと違います!」と怒られてしまった

納品ができなくなった

お客さんの攻撃「何で納品できないんだ!」と裁判で訴えられてしまった

 

お客 目的達成できず

PM 目的達成できず

営業 目的達成できず

SE 目的達成

PG 目的達成

社長 目的達成できず

 

パターン2

PMの攻撃「スケジュール遅れます!」

しかし営業に「遅れたらダメです」と言われてしまった

PMの攻撃「人を増やしたいです!」

しかし社長に「予算無いのでダメです」と言われてしまった

PMの攻撃「SEさんなんとかして欲しいです! こういう事情で仕方ないんです!

なんとSEに理解してもらえた!!

SEの攻撃「PGさん、こういう事情でしかたないので変更して下さい!」

しかしPGに理解してもらえなかった・・・

納品ができなくなった

お客さんの攻撃「何で納品できないんだ!」と裁判で訴えられてしまった

 

お客 目的達成できず

PM 目的達成できず

営業 目的達成できず

SE 目的達成できず

PG 目的達成

社長 目的達成できず

 

パターン3

PMの攻撃「スケジュール遅れます!」

しかし営業に「遅れたらダメです」と言われてしまった

PMの攻撃「人を増やしたいです!」

しかし社長に「予算無いのでダメです」と言われてしまった

PMの攻撃「SEさんなんとかして欲しいです! こういう事情で仕方ないんです!」

なんとSEに理解してもらえた!!

SEの攻撃「PGさん、こういう事情でしかたないので変更して下さい!」

しかしPGに理解してもらえなかった・・・

SEは仕方なく社長を召喚した!!

社長の攻撃「PGくん、やってくれないならクビね」

PGはしぶしぶ変更を受け入れた

なんと、スケジュール通りに納品できた!!

 

お客 目的達成

PM 目的達成

営業 目的達成

SE 過労により死亡

PG 過労により死亡

社長 目的達成

 

 

ほら、ゲームっぽくない?

 

視点を変えてみる(SE)

神視点では理解できたかもしれないが、だから何だと思われるかもしれない。

ここで、自分が上のゲームのSEになったと考えてみよう

 

  • 何かPMが無茶言ってくる

SEの貴方はスケジュール通りに行かなくなった事故のことを知らない

なのでPMが突然狂ったように感じるだろう

そんな状況に経験は無いだろうか?  

 

SE「こいつ何言ってんだ? 俺は設計したいんだよ!」

 

これは情報が与えられていないので当たり前だ。

ならPMが説明をしたならどうだろうか。

 

PM「ちょっとお客さんが社員全員で旅行に言っちゃってて、仕様の話ができないから遅れるんだよね」

SE「知ったこっちゃねーよ! 俺は設計がしたいんだよ!」

PM「でもほら、ちゃんと納品しないと」

SE「知ったこっちゃねーよ! 納品しなくても給料はもらえるんだよ!」

 

情報が与えられてもこうなるかもしれない。

今このゲームでは、営業の目的に「スケジュール通り」が有り、PMはそれに従っている状態。しかしSEの目的に「スケジュール通り」が無い

それどころか、PMの目的に「納品する」があるのに対し、SEの目的にはない。

だからこうなってもおかしくないのだ。

 

PM「このままだと破綻してちゃんと設計できなくなるから」

SE「マジかよ! それはしかたないな」

 

こういうパターンもある

SEはきちんと設計するのが目的だから、設計できないのは困るのだ

じゃあ今度は、PGにそれを伝えてみよう

 

SE「このままだと破綻するから設計が変更になる」

PG「知らねーよ! 何で変えるんだよ!」

 

こうなるかもしれない

だってPGの目的には関係ないのだから

もし仮にこうならないとしても、PGは憮然とするかもしれない

 

視点を変えてみる(お客さん)

お客さんの視点に立ってみよう

 

営業「すいません何か納品できませんでした」

お客「は!? ふざけんなよ」

 

簡単ですね

 

誰かの立場になって考えてみる

ここまでの話は、世の中の大半が耳にしたことがあるであろう「相手の立場になって考えてみる」の一言で済ませられてしまう

だがこの言葉、わかりにくくないだろうか。

 

もっと噛み砕くとすると

 

みんな何かしらないけどゲームをしているんだ

そのゲームを理解してあげることは重要だ

ゲームっていうのは、目標と、ルールと、状況と、情報と、行動があるんだ

 

こうなると思う

 

 

理想と現実の差

ここまで考えたのはあくまで理想状態で

数学や物理学の世界と同じ、何の役に立つんだ!と言われてしまうかもしれない

 

だとすると現実との差はなんだろうか

私はこの3つだと思う

  • 皆ルールが分かってない
  • みんな何かしらないけど複数のゲームをしている
  • みんなそれぞれ違うゲームをしている(個人も、組織も)

 

これらについて考えていきたい

 

 

みんなゲームを理解できていない

「知っている情報」の「情報」というのはどこまでの範囲を指すと思うだろうか。

例えば「問題が発生してスケジュールが遅れる」はもちろん情報だが、それ以外にも色いろある。

 

  • 制約条件(法則)

「こういう問題が発生する→するとスケジュールが遅れる」のような法則の知識

これは強いものだと物理法則やロジック、法律、規則などがあるが

弱いところだと

「同僚の鈴木さんはヨイショすると仕事してくれる」

「A社の法務部は一週間前に仕事を依頼しないとやってくれない」

みたいな経験則レベルのものまである。

 

ゲームに喩えると、強い法則は説明書、弱い法則は攻略本と言ったところだ

もちろん、現実には説明書も攻略本も無い

 

  • 達成条件や(目的そのもの)

例えば「昇進する」は明確だと思うが、「北海道旅行をする」の達成条件は人に依るだろう(空港まで行ってラーメンを食べて帰ってくるのが北海道旅行なのか、みたいな)

それどころか「なんかどっか行きたい」とか、「楽しいことないかな」など、「北海道旅行をする」の手前に居て目的として体をなさない場合もある

 

ゲームだととても分かりやすく「ラスボスを倒そう!」などとわかるが

現実だとどうなれば良いのかがフワフワしていることが多い

 

  • 状況を表すもの

現時点が、いいのか悪いのか、判定する道具を持ち合わせていないこともあり、これも「情報」だ。

例えば将棋がわからない人が盤面を見て今どっちが勝っているのかなど判断付かないだろう。

分かり易いゲームだと、ひと目で分かるようにしてあるが、難しいゲームだと熟練度が必要なこともある。

 

もちろん現実でも熟練度が必要で、自分が目的に進んでるのか進んでないのかが分からないことが多い

 

 

 

これらの知識が全て揃って、ようやくゲームが出来るのだが

現実ではそこまで到達していないことが多い

これは自分自身だけが問題なのではなく、隣のやつが何かよく分かってない」のも問題だ

 

 

みんな何かしらないけど複数のゲームをしている

当たり前だが、人間には人生があって、それは1つのゲームで表現できるほどシンプルではない

大抵いろんな目的があって、目的の数だけゲームが存在する

目的が親子関係になっていて、大目的のための小目的・・・となるとどれだけ複雑かは考えたくも無くなるだろう

 

会社一つをとっても、簡単に複数のゲームが見つかる

 

例えばAさんが、IT部門・アプリチーム・プロジェクトA(SE)・プロジェクトB(PG)の4つに所属していたら、必ず4つのゲームを抱えていることになる

 

そうすると、簡単にトレードオフが発生する

あちらを立てればこちらが立たず、こちらを立てればあちらが立たずだ

 

だからどこかに歪が出るのは当たり前で、動や発言から全ゲームを理解するのは容易ではない、自分のゲームだって把握できているかも怪しい

 

 

みんな違うゲームをしている(個人も、組織も)

IT企業での例のように、それぞれ皆別の目的を持っている

そしてそれは時として正反対を向いているので、当然のごとく軋轢が生まれる

 

本当のゲームと違うのは隣の誰かは大半の場合「敵」でもなく「味方」でもなく、「別のゲームをしている人」ということだ

 

多くの場合で悪意を持った人は少なくて、単に向いてる方が違うだけ

ただ現実においては

誰も悪くないのに、全員で失敗することもできる。そして全員で勝つこともできる

 

それがこのゲームの恐ろしく、理解し難いところだ

 

この3つの差を理解できれば、現実世界をゲームとして捉えるのが可能になると思う

 

 

で、何がいいの?

これが分かれば良いことがある

 

「何で!? 何であの人はこんなことするの!? 酷い!! 氏ね!!」

 

そう考えたことはないだろうか。

でも、こうも考えられると思う

 

「あの人は一体何のゲームしてるんだろう?」

「あの人、何か勘違いしてるか、分かってないのではないかな?」

「自分のゲームと、同じ目的の部分はないかな? あるなら協力できる」

「あの人のゲームに助言はできないかな?」

 

そうすれば、意味分からない!で終わっていたことが、どうすれば解決できるか、になるのではないだろうか

まるでゲームのように

 

 

次回はこれらについて書きたい

経営者目線とか、視座を高く持つことがどういうことで、なぜ良いと言われるのか

何とかできる人とできない人の差、ゲームを選ぶ・切り替えるなど